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【大冠】休校中も続けた「1日最低1000スイング」で大阪をとる!

2020.7.6

2017年の大阪府大会決勝進出が大きな話題となった公立の雄・大阪府立大冠高校。昨秋の大阪府大会はブロック予選二回戦で敗退し、その悔しさをバネに成長していた最中をコロナが襲った。7月18日の代替試合開幕まで残り一か月を切りそれぞれが一致団結し強豪ひしめく激戦区ならではの目標を掲げ闘う夏となった。


大阪府の公立高校は6月15日に分散登校が解除され部活動が再開した。本格的なWITHコロナの生活がスタートしたが、代替試合に向けて用意された準備期間はたったの一か月。夏に向けて再始動した4日目の週末、市内の野球場で100人弱の部員を三班に分けた分散練習が組まれていた。休日だがシートノックと紅白戦を含め一班当たりの練習時間は約3時間。「練習中に密にならないように気を付けて、まずは全員で野球を楽しんでもらえたら」とマスク姿の東山宏司監督はグラウンドを見守っていた。

練習後のミーティングでは全員がマスクを着用し声が聞こえる範囲内で座り順に発言していく

大冠プライドのスイング練習

大冠には現在12種類の素振りがあり、多種多様なバットを使用して練習を行う。そのスイング量の多さも有名だ。昨年12月から2月の間、通常の木製バットより重いものを使用し一日3000スイングのノルマを乗り越えた。3月に通常のバットが解禁され、今度はスイング数を少し減らし実践に近い感覚を養っていく予定だった。

3月2日の休校以降は、各自が練習道具を持ち帰り冬に培った打撃力の低下を防ぐよう心掛けた。重たいバットを使用し冬の練習を継続したり、家族に練習を手伝ってもらった。新1年生の為に2年生が練習用動画を作成するなど、離れていてもチーム一丸となって1日最低1000本のスイング練習に取り組んだ。

「休校中の土日は家庭訪問に回って練習の指導をして進路の話もしました。出来る範囲でいいので体幹と股関節のトレーニングもしておくように伝えました」と話す東山監督の期待通り、複数人の選手が休校前より体格が大きくなっていた。

課題は体力復帰と怪我予防

監督の話を聞くときも「密になるなよ」と声を掛け合い感覚を開けて座っていた

休校前は一日2~5時間の練習時間を確保していたが、自主練習期間中は頻繁に長時間外出することや練習スペースの確保が難しく急激に練習時間が減少した。残念ながら部活動再開後に影響は明確に表れた。

代替試合開幕への焦る気持ちを抑え、まずは全体練習の時間を減らし自主練習の時間を多く確保した。自分のペースで無理なく練習し、練習後には入念なストレッチを行う。
「この二週間は体力も試合感覚も段々と戻していこう。焦り過ぎたら怪我するからと言っています。元々自主練習の多い学校なので各自が自主練で調子を上げられるのが強みです」と話す門田優樹主将(3年)。自身も二年連続で熱中症に倒れた経験があり、体力回復をチームの最大の課題に挙げた。


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