12月に入ると野球界はシーズンオフになる。その対外試合を踏まえて、冬はどう過ごしていくのか、個々それぞれの課題が明確になっているはずだ。
「冬に関しては個の強化。個の強化ができないとチームがこじんまりとしてしまうので。今はチームのことは考えなくていい。そういう気持ちで冬の練習に入ります」(西谷監督)。
今年に関して言うと、昨季1年間は春も夏も甲子園に出られず、悔しさしかなかった。その悔しさに直に触れている1、2年生が何を感じているかだ。その上での競争は、例年以上に激しくなるかもしれない。
「誰がレギュラーになるのか楽しみですね。誰がスタメンになるのか、その試合の時の調子によって変わります。今年は特に確定している選手が少ないです。毎年チームのカラーが違うので、毎年チームに足りないものが何かを考えながら冬の練習メニューを考えますが、今年のチームは走力が足りないので、走塁練習に重きを置いてはいます」。
この日は3000m走後、ノック、ケースノックを行い、個々の守備の課題に向けての個人練習に選手は励んだ。その後、フリーバッティングなどを行い、グループを二つに分けてのトレーニングが始まる。
その、トレーニングのひとつが「TRXトレーニング」だ。実はこの冬から大阪桐蔭で導入されたもので、ウエイトトレーニングだけではなくて可動域を広げたり、関節などの柔らかさを取り入れることができるトレーニングだ。特殊な器具は使わず、チューブやロープなどを使う。普段はピッチャーがやることが多いが、この時期は時間を割って全員が参加している。
「トレーニングでベンチプレスを上げてガンガン筋力をつけるのではなく、すべてを野球に繋げないといけないので、トレーニングもバランスが大事。体の上下のバランスなど個別性を出すようにしています」と西谷監督。新しいことにもどんどんチャレンジしながら、令和の時代も新たな伝統を築いていく。(取材・文/写真:沢井史)
関連記事
-
【大阪桐蔭】オフは「自分との戦い」! ポジション奪取に燃える選手たち2020.1.23
選手 -
大阪桐蔭元主将中川卓也(早稲田大)「野球ノートを大切にすれば野球はうまくなる」2019.9.30
選手 -
大阪桐蔭×東邦 センバツ友情応援の裏話2019.6.18
企画 -
【大阪桐蔭】「平成最強校」を率いる西谷監督のオフ練習、オフトレ論(後編)2018.1.17
学校・チーム -
【大阪桐蔭】「平成最強校」を率いる西谷監督のオフ練習、オフトレ論(前編)2018.1.16
学校・チーム -
高山優希投手に聞く!プロ野球選手に求められるルーティンとは?2017.6.6
選手
- 1
- 2