カラダづくり

SB武田翔太投手が実践中!しくじらないコンディショニング術(part1)

2019.7.10

今季も一軍で活躍し、2年連続日本一を狙う武田投手。
チーム内で「コンディショニングの先生」と言われるほどの探求心と知識量を持っていますが、すべては高校時代の失敗が糧となっているそうです。夏の大会で最高の力を出したいキミへ。エールを送ってもらいました!


ナツタイ準備の第一歩は生活リズムを整えること

高3の夏。準々決勝で足がつり、敗戦。失敗から学んだ栄養学

 高校時代の「失敗」があって、いまの僕があります。夏本番を目の前にした高校生は、大会で絶対に「失敗」したくないですよね? 誰もが100%のベストパフォーマンスを発揮したいと思っているはずです。ではどうしたら、失敗せずに、大会を乗り切れるか。
 最初にまず、僕がなぜ、栄養やコンディショニングに興味を持ったのかというところから、お話ししたいと思います。
 高校時代は栄養やコンディショニングについて、全くといっていいほど知識がありませんでした。僕は野球を始めたころから足がつりやすい体質で、なぜか調子がいいときほど足がつってしまっていました。なんでなんだろう……。当時は学校や練習が忙しくて、そのままにしていました。「なんとかなるだろう」。そう、思っていたんです。
 後悔したのは、最後の夏でした。夏の宮崎大会の準々決勝(鵬翔戦)で、6回ぐらいから足がつって、0-1のサヨナラ負け。11三振を奪いましたが、勝つことはできませんでした。1年からエースとして投げていましたが、甲子園には1度も行けませんでした。悔やんでも悔やみきれない思い出です。

活躍の80%は準備で決まる。BCAAを積極的にとりました

 そこから大きく意識が変わりました。高校卒業して、ソフトバンクに入団しましたが、ひとつハッキリとわかったことがあります。それは「準備の差がすべてを決める」ということです。活躍が100だとしたら、7、80%は準備に時間をかけます。プロなので、それは当たり前のことではありますが、準備によって失敗は防げます。プロ8年目ですが、足のつりを防ぐために、食べ物に気を配ったり、BCAAという必須アミノ酸のサプリメントを試したり、カフェインを制限したり、トレーニングを工夫したりと、いろいろなことを試してきました。そうしたら、足がつらなくなりました。
 自分で勉強し、身体にいいものを試すことで、自分の身体を知ることができます。ケガやアクシデントを防ぐことができる。野球は失敗のスポーツですが、失敗から学ぶことが大事なんだと痛感しています。

毎日朝7時には起床しています。高校生も生活リズムを一定に!

 高校生に今日からすぐ始めて欲しいことは「常に同じサイクルで生活をすること」ですね。学生時代は学校があるので、起きる時間は毎日決まっていると思います。ですから、それに合わせて寝る時間をしっかり決めましょう。高校生なら7〜8時間は必ず寝るようにしてください。遅くまでスマホをいじってゲームやメールをしたくなるかもしれませんが、メリハリある生活を優先して下さいね。
 僕らプロ野球選手は、先発と中継ぎ、デーゲームとナイターで、スケジュールが全く違ってきます。ナイター登板のあとだと、寝るのが2時ごろになります。その中でも、僕はなるべく朝7時には起きるようにしています。朝起きたら、プロテインを飲んで、1時間ゆっくりして入浴、朝食、そして球場に行きます。投げた翌日は身体のチェックをしたあと、ウエートトレーニングの強度を高めに設定して行っています。

登板前は炭水化物、登板後はたんぱく質。何を食べるかも大事

 投げる前は炭水化物中心ですが、投げた後はたんぱく質を多めに取ります。
 食事に関しては、高校生は細かく制限しすぎると続かないと思うので、ある程度のレベルでいいかもしれません。一人では挫折してしまうので、一緒に取り組める友達がいたら心強いですね。僕は、2年目の大竹(耕太郎=投手)と先発の登板日が近かったので一緒に食事に行って「今日は炭水化物にしようか。今日はたんぱく質だな」など言いながら楽しく調整していました。高校生は特に増量するのが難しい時期ですし、練習もきついと思います。僕も高校時代はいまより15キロ少ない、74kgしかありませんでしたからね。
 追い込みすぎず、かといって無関心すぎず。夏に向けて、自分自身のコンディショニングを追い求めてくださいね。

プロフィール

武田翔太 Shota Takeda 1993年4月3日生まれ。宮崎県出身。186㎝、89㎏。右投右打。軟式・住吉中時代に最速142キロでKボール宮崎選抜に選出。宮崎日大では1年からエースで活躍。11年ドラフト1位でソフトバンク入団。背番号18。

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