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【変化球特集】西純矢(創志学園)の5つの変化球の握り!

2019.4.17

プロ注目右腕、西純矢投手(創志学園)の5つの変化球の握りを紹介!学校から練習場までバス移動のため、車内でもボールに触れ指先の感覚を養っているという西投手。特に新しい球種を覚えるときは、いつでも握れるように練習しているんだって。


西純矢(創志学園)の5つの変化球の握り!

【スライダー】なるべく腕を伸ばして打者の近くで投げる



Q.どうやってマスターしたの?
ネットの動画を見たり本を買ったりして握りをみて、自分で試しました。ときには弟とキャッチボールをしながら投げることもありました。スライダーに関しては、ほぼ独学で、試行錯誤しながら習得しました。

Q.一番得意な理由は?
いつでも空振りがとれて、一番自信のあるボールだからです。僕も分からないんですけど、右打者と左打者で同じ握り方、投げ方をしているのですが曲がり方が違うようです(笑)
。右打者のときは外に逃げて、左打者のときは縦に落ちていきます。

Q.投げるうえで意識していることは?
変化球に頼りすぎるのではなく緩急を意識して、ストレートが速く強くみえるようにすることを大切にしています。球速も気になりますが、それ以上にキレや回転数などの球質を重視しています。1年生の冬に投げていたときは、今よりリリースが少し早かったため、ボールの曲がりが早く、「これだと打たれるかもしれない」と指摘されたことがありました。それで、なるべく腕を伸ばして打者の近くで投げるように改善しました。

Q.苦労したことは?
コントロールです。投げられるかなと不安になるときもありましたが、楽観的な性格なので、そこは考えすぎずに乗り切ってきました。

Q.チームメイトからクセを指摘されたことはある?
ストレートを投げるときと変化球を投げるときの顔つきと肩の力の入りが違うと言われました。セットポジションから構えて上に振りあげる際、ストレートを投げるときとくらべてスライダーを投げるときはゆっくりになって顔がゆるんでいるようです。

Q.これからの目標は?
制球が定まっていないので、現状では60〜70点ぐらいです。たまに抜けて甘いコースになることがあります。左打者には外から入ってくる球を、右打者にはインコースからの球がいつでも投げられるようになりたいです。

投げ方のこだわり

真っすぐより思いっきり腕を振ること、極力、打者の近くで投げるようにすること。腕の振りがゆるまないようにすることが大事。


変化球ストーリー|スライダーが誕生した 意外な理由とは?


最初に覚え、一番自信が持てる変化球に成長した「スライダー」。なぜ数ある変化球のなかでスライダーを選んだのか。そのルーツは幼少期に隠されていた。

広島県出身で野球好きの両親の影響で「自分では記憶にないんですけど、ベビーカーに乗って広島市民球場に通っていたそうです」。物心ついたときには大のカープファン。小学生の頃は弟と2人で観戦に行くこともあったようだ。2008年、広島市民球場での最終戦も観戦に行っていた。その試合で前田健太投手(現・ロサンゼルス・ドジャース)がプロ初ホームランを放って話題になった。「投手なのにホームラン打ってカッコイイなー」と、一瞬で前田投手のファンになった。

前田投手の代名詞はスライダー。憧れの選手に近づきたいという想いから、最初に取り組み始めた変化球がスライダーだった。ちなみに、マエケン体操はたまに公式戦のとき、ベンチ裏でウォーミングアップ時に取り入れているそうだ。


【カーブ】リリースの瞬間に指を鳴らすイメージで放る



Q.投げるときのポイントは?
腕の振りが緩くなってしまうので、その様子が打者に分からないようにすることです。

Q.投げ始めたきっかけは?
投げられるボールは、ストレート、スライダー、フォークの3種類ありましたが、全部ストレートと同じ軌道なので、打者の目線を変えたいと思いました。そこで打者の視線を上げさせて一度浮いたような軌道を描くカーブを投げられるようになったらいいかな、と。握りは1年生のときに、カーブを投げていた3年生の先輩に教えて頂きました。

投げ方のこだわり

投げる瞬間に、人差し指を自分の顔の方向に向けて引き込むようにすることで、縦回転の強いボールになる。リリースの瞬間に指を鳴らす(指パッチンする)イメージで投げる。

【フォーク】人差し指をかけて中指ではさむ



Q.投げ始めたきっかけは?
野茂さんが総監督の「ジュニア・オールジャパン」に中3で選ばれ、アメリカで試合をしたとき、野茂さんにアメリカのボールを使ってフォークの投げ方の指導を受けました。帰国後、日本のボールで投げたら軽くてアメリカで投げていたときのように落ちなかったんです。その後、試行錯誤を繰り返して落ちるようになりました。

投げ方のこだわり

人差し指を縫い目にかけて中指ではさむこと、親指をボールに置く(添える程度)。リリースは打者の近くで投げるようなイメージ。


【チェンジアップ】中指と人差し指をかぶせ薬指を最後に離す



Q.どうやってマスターしたの?
野茂さんに教えて頂いた後、自分なりに工夫して今の形になりました。変化球のなかでは一番力まずに投げられます。

Q.投げ始めたきっかけは?
左打者に有効な変化球のチェンジアップを投げようと思いました。いきなり遅い球がきたらビックリしますよね。昨秋の大会中から投げ始め、最初は隠し玉みたいでした。

投げ方のこだわり

ボールに中指と人差し指をかぶせるようにして、薬指が最後に離れていくように投げる。ボールをなでるようなイメージを持つ。

【スプリット】ストレートよりも強く振り低めに投げるイメージで



Q.投げ始めたきっかけは?
カウントが3-2になった場面でフォークを投げていたとき、打者が見極めるというより、ストンと落ちて手が出ないような見逃し方をされて、四球を出す場面が多かったんです。キャッチャーと話し合って、打者に振ってもらえるような小さく落ちるスプリットを覚えました。

Q.投げるときのポイントは?
ホームランにつながる可能性があるので高めに投げないようにしています。

投げ方のこだわり

ストレートよりも腕を強く振り、キャッチャーの構えたところより上に投げないようなイメージで放る。

プロフィール

西 純矢(にしじゅんや)3年生。広島県出身。身長184cm。87kg。最速150キロ。右投右打。学校から練習場までバス移動のため、車内でもボールに触れ指先の感覚を養っている。特に新しい球種を覚えるときは、いつでも握れるように練習している。


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