カラダづくり

高松商業が実践する!最新のコンディショニング方法

2019.3.7

「四国四商」とは、古くから四国の高校野球を牽引してきた4つの商業高校を指す言葉。その一角を占める香川県立高松商業高校野球部は、2014年に就任した長尾健司監督のもと、新時代の黄金期を築くべく奮闘中。同校が取り入れている最新のコンディショニング方法に迫った。


チーム練習にも「働き方改革!」
量よりも質を重視した効率的なトレーニング

Timely!webにも度々ご登場いただいている長尾健司監督
高松商業野球部は1909年に創部し、1924年の第1回全国中等学校選抜野球大会で優勝を果たした。これまでに春、夏、国民体育大会、明治神宮大会合わせて6回の全国制覇を成し遂げた強豪校だ。勝利を記念し、ストッキングにラインを刻んでいることでも知られている。現在は7本目のラインを刻むべく、1・2年生合わせて43名の部員たちは練習や身体づくりに取り組んでいる。かなり厳しい長時間の練習をしているのでは……、と思いきや、「うちは量よりも質重視。働き方改革ではないですが、いかに短時間で効率を上げるかをテーマにしています」と長尾監督。

そもそも長尾監督はこれまで中学野球の指導をしており、高校野球のチームを率いるのは高松商業が初めて。「自我が確立している高校生は、何事に対しても納得できなければ、身が入りません。そこで全員で考え、目標を設定し、強化ポイントを意識しながら練習するスタイルを目指しています」と話す。その練習を見ていて驚いたのは、いわゆるレギュラー組、控え組の選別を行っておらず、選手全員が同じ練習に取り組んでいること。そこには長尾監督ならではのチームづくりへの思惑があるようだ。

体育館下のピロティでバイパートレーニング。体幹を鍛え、パフォーマンスを高める効果がある。

マシンの順番が待ちきれず、素振りをする選手の姿も見られた。短時間練習だからこその充実ぶり。

夏場と冬場で練習内容は大きくは変えていない。チームを6つのグループに分け、試合、打撃、守備、走塁、フィジカルトレーニングなどのメニューをローテーションにより実践している。1タームは約40分。集中力を切らさない時間配分となっている。冬場は多少フィジカルトレーニングの時間を増やすが、「試合のなかで得られるものは大きい」と、ゲーム形式の練習を重要視している。試合勘を磨くことで、瞬時の判断能力を養っていこうという考えだ。グラウンドを他部と共有しているため、ゲームをしている以外のグループは、体育館下のピロティ、バッティング練習場、筋トレルームなどに分かれて、それぞれのメニューをこなしている。監督はゲーム形式の指導を行っているため、選手の自主性が非常に大切。その日のスケジュールを確認しながら、各自が課題に向かい合っている。

「効率」と「納得感」を食トレでも実践中。
いざ、新たな黄金期の構築を目指して

(左)練習前の中食。この日のメニューは炊き込みご飯。(右)監督がゲーム形式の練習を指導している間に、別のグループは黙々とストレッチを行う。

チームは「食」による身体づくりにも熱心。「1日6食」を基本とし、朝昼晩に加えて、1時限終了後と練習前に中食を摂っている。さらにパフォーマンスアップや練習後の疲労軽減のひとつとしてアミノ酸入りのサプリメントを取り入れるようにしている。

「食トレにおいて大切なのは継続すること。また練習と同様に何のためにこれが必要なのかを各自が理解し、取り組むことも重要です」。
練習の合間にも口にしやすいアミノ酸入りのサプリメントは、昨夏の選手権大会前から積極的に摂取し、練習中や試合前のミーティング後などに飲み始めた。こうした取り組みが功を奏し、夏場に起こりやすい足のけいれんなどの筋肉疲労が軽減されたようだ。

練習後にアミノ酸のサプリメントを摂りながら談笑する選手たち。

そうした変化を身体で感じたことから、就寝前にアミノ酸入りのサプリメントを摂取している選手もいる。

長尾監督からは「効率」と「納得感」という言葉が何度も出てきた。練習方法しかり、食トレしかり。そこで得られる効果のための最短距離を探り、選手自身が納得して行うことがテーマとなっている。

高松商業は、2016年の選抜大会で準優勝、2018年の秋季四国大会で優勝を果たすなど着実に力をつけている。長尾監督は、最新のトレーニング法やコンディショニング法などを常に模索しながら、取り入れることで今後も強いチーム作り改革を進めていく。


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