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【鹿児島実業】負けられない100の節目、「食トレ」で決めた甲子園

2018.11.15

桜島を望む高台に位置した鹿児島実業は、強豪と呼ばれる数多くの部を抱える部活動の盛んな学校である。中でも野球部は甲子園優勝経験もある名門。新旧強勇ひしめく鹿児島で、第100回全国高校野球選手権


県勢唯一の甲子園優勝校、創部100年目の聖地へ


野球部・監督 宮下正一 (みやした しょういち)
1972年生まれ。鹿児島県出身。鹿児島実業では主将として3年春夏の甲子園に出場。夏は8強へ進出。卒業後は社会人野球のNKK(現JFE西日本)でプレー。2005年に母校監督となる。
今夏、鹿児島県勢最多を更新する春夏通算28回目の甲子園出場を果たした鹿児島実業(鹿実)。夏は19回目となり、最大のライバルとしてしのぎを削っている樟南と並び、こちらも県内最多となった。

今夏は絶対に負けられない理由があった。第100回の節目を迎えた選手権大会だが、鹿実の野球部も今年が創部100周年にあたる。「高校野球100年目」の大会だった2015年夏、学校創立100周年だった2016年春と、100の節目には必ず聖地の土を踏んでいる鹿実だが、チームを率いる宮下正一監督に圧しかかったプレッシャーは、過去の「100」とは比べ物にならない大きさだったという。
「OBを含めてあまりに盛り上がっていたのでね。普段はさほど気にも留めないはずなのに、これほどはっきりとプレッシャーを痛感したのは初めてでした」。

鹿児島県勢として唯一の甲子園優勝(96年春)を誇る名門で、県民から熱い支持を受け続けている鹿実。過去には智秋、正二、徹久の定岡3兄弟をはじめ、幾多のプロ野球選手を輩出してきた。宮下監督の同期にも甲子園で活躍した内之倉隆志(元ダイエー)がいたし、最近では本多雄一(ソフトバンク)、野田昇吾(西武)などが第一線で活躍を繰り広げている。先ごろ引退を発表した杉内俊哉(巨人)も同校OBだ。ちなみに現役では野田と横田慎太郎(阪神)が宮下監督の教え子にあたる。

しかし、近年は“宿敵”樟南の存在だけでなく、2000年代に入って台頭してきた神村学園の勢いもあって、決して悠々と先頭を走っているわけではない。実際、今夏のチームも苦しい状況を克服しての甲子園出場だった。
40分ほどの時間をかけて部員全員で行なうウォーミングアップは迫力も満点。「鹿実アップ」としておなじみで、近隣高校の野球部やその他の運動部が見学に訪れることもある。
夕食にありついた選手の表情からは練習を終えた達成感と安堵感が漂っている。


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