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西勇輝投手(オリックス)|プロ野球選手のパフォーマンス術

2018.8.21

身体に人一倍気を使い、自分に合ったトレーニングやメンテナンス、栄養摂取に取り組みながら、数々の成績を残してきた西勇輝投手。プロならではの知識と実績に基づく西投手のコンディショニング法は基本を大切にした王道スタイルで、球児にも真似できるポイントが満載です。


「栄養摂取をルーティンにして身体の中から強化する」

専門家たちに学んで正しい食生活を送る

食事や栄養にはかなり気を使っている方だと思います。なるべく揚げ物は食べず、外食は控え、外食するなら野菜中心。寮にいたプロ2〜3年目に、栄養士さんが開いてくれたセミナーでどんな栄養をどう摂ると身体にいいかを知って、それを取り入れるようにしました。僕は休養も重視していて、特に睡眠はしっかりとります。プロ入り後は毎日21時半に寝て、朝5〜6時には起きて動き出す。昼寝も毎日15分とっています。

効果を体感できるアミノ酸をルーティンに

食事で足りない栄養を補給できるサプリメントも積極的に摂っています。先輩やトレーナーさんにおすすめのものを聞き、いろいろ試した中から今は5種類を厳選しています。中でも重視しているのがアミノ酸。高校時代に監督にすすめられて初めて飲み、プロ入り後は運動時に重要なBCAAやグルタミン、アルギニンなどがバランス良く配合されたアミノ酸のサプリメントを本格的に摂るようになりました。運動前と運動中に飲むと、集中力が高まり、最後までパフォーマンスを維持できる。筋肉量が増え、リカバリーにも効き、疲れにくくなったと感じました。サプリメントは薬ではないので即効性はありませんが、継続して飲むと身体の変化を実感できます。最近では、リカバリーに効くとされるロイシンが強化されたアミノ酸も運動後と寝る前に飲んでいて、週一回の登板日に合わせたベストな摂取法がルーティンになっています。
練習せずに飲むならもったいないけど、練習をしっかりするなら球児もアミノ酸を摂るべきだと思う。栄養のプロたちが作って、トレーナーさんも推奨するサプリメントが悪いものであるはずがないし、もし自分の息子が野球をやるなら絶対にすすめますよ。


明確な目標があれば何事も乗り越えられる

球児にとっては5〜7月の夏に向けての取り組みが重要で、この時期に心も体もパワーアップできる。ここでくじけていては甲子園にはとても行けないし、どの世界でも通用しないんじゃないかな。練習はメリハリをつけて、休憩もとりながら行うのが大切。僕の高校では走るのが基本で、重りを持って投げたり走ったりという昔ながらのやり方でしたが、体幹トレーニングは毎日していました。体幹とランニングをしっかりやらなかったら、プロにはなれなかったと思います。高2の夏に県大会の決勝で負けたとき、相手投手は同学年でプロからもすごく注目されていた。それが悔しくて自分もプロになると決めました。目標ができ、それからはつらいことがあってもさらにブレなくなった。球児の皆さんにも最後まで諦めて欲しくないなと思います。

西 勇輝'sコンディショニングMEMO

(1)トレーニングと栄養で全身を強化する。
(2)体質と目的に合うサプリメントを摂取。
(3)練習は休憩をはさみ、メリハリをつける。


球団トレーナー’s EYE
アスレティックトレーナー ストレングス&コンディショニング担当
久保田和稔さん

一度決めたら、ブレずに成し遂げる

【練習、栄養、休息をすべて等しく重視する】
西投手のコンディショニング法はほぼ決まっていて、多少のマイナーチェンジはあっても、同じことを何年も、毎日黙々と続けています。決まったトレーニングをこなし、早寝早起き。結果が良くても悪くても変に影響を受けず、ブレずに継続しています。練習・食事・休息はどれも同等に大切で、たくさん練習しても良い栄養をとっても、ちゃんと休まなければ疲労が残ってしまう。強くなりたいなら休息もしっかりとるべきだと思います。
また、球団には専属栄養士がいて、食事や栄養で選手の身体を中から強化しています。その一環で、今シーズンからアミノ酸のサプリメントを摂取するようになりました。きちんとリカバリーするのが目的で、西投手のようにすでに個人的に飲んでいる選手も多い。アミノ酸の力を借りて、年間を通してベストなチーム状態を保っていきたいですね。

西 勇輝 Yuki Nishi
1990年11月10日生まれ。三重県三重郡菰野町出身。菰野高2年からエースとして活躍し、3年夏の甲子園に出場。2008年ドラフト3位でオリックス・バファローズに入団。プロ入り一年目で高卒新人としては球団初となる一軍登板を果たす。2012年の対ソフトバンク戦でノーヒットノーランを達成。2018年は開幕投手を務め、抜群の制球力を武器に2年ぶりの2ケタ勝利を狙う。


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