2017年のドラフト会議で2位指名を受けて、ロッテに入団した藤岡裕大選手。開幕から不動のショートとして活躍しており、新生マリーンズの象徴的存在となっている。そんな藤岡選手にパフォーマンスを保つためのコンディショニングについて話を聞いた。
「走れる身体を取り戻したことがドラフト指名につながりました」
大学で体重増加、しかしそれが裏目に
本格的にトレーニングや身体作りを行うようになったのは高校時代で、これらはチームとして取り組んでいました。進学した亜細亜大はウエイトをしっかりやるチームだったのですが、その影響と食事の量が多くなったこともあって体重を増やしすぎてしまい、4年生のときには自分でも動けないなという感覚がありました。一番重いときで身長178センチに対して体重は86キロくらい。その年にプロ志望届を出しましたが結局指名されず、自分はタイプ的にホームランをどんどん打てる長距離打者ではないので、スピードで勝負するべきではないかと気づきました。社会人で減量に成功、持ち味のスピードが戻る
社会人では自分の持ち味のスピードを取り戻すために体重を落とすことにしました。練習での運動量が多かったこともあり、炭水化物の摂取量を減らしたら自然と落ち、ピーク時からは7〜8キロ減って、再び走れるようになったと感じました。スイングにもキレが出て振り抜きやすくなり、また打球の飛距離が落ちたりすることもありません。動ける身体を維持するために睡眠と食事はしっかりとっていますが、疲労で眠れないことや食べられないことはないですね。
ウエイトの主目的は調子を維持するため
社会人時代は個人に任せられていたので大学時代よりウエイトは減っていましたが、プロ入り後はまたトレーニングを増やしました。シーズンに入ってからも上半身と下半身を週2回ずつは行っています。身体を大きくするというよりも、プレーで使わない筋肉に対してウエイトで刺激を与え、全体のバランスを整えているというイメージ。そのおかげか肩や脚については、これまで大きなケガはありません。ただ下半身に張りが出ることがあるので、ストレッチを多めにしてなるべく違和感をなくし、試合に臨むように心がけています。食事は栄養バランスとタイミングを重視
シーズンが始まってからは毎日試合があるので、疲労は溜まっているなと思います。ナイター明けからのデーゲームでは特にそう感じますね。そのため、食事や栄養摂取にも気を使うようになり、野菜を食べてミネラルを補給しています。また、パフォーマンス維持のために、試合が終わってからすぐに炭水化物を摂取。今後はトレーナーからすすめられたアミノ酸も摂取して、さらにパフォーマンスを上げていきたいです。今は打率も低くあまり結果が出ていませんが、必ずぶつかる壁だと思ってプラスにとらえています。負けず嫌いな性格で指名漏れしたときもそれをバネにできたので、プロでもより良い結果を出せるように食事や栄養摂取にも気を配りながら、トレーニング、コンディショニングに取り組んでいきます。
藤岡裕大'sコンディショニングMEMO
(2)コンディショニングのためにウエイトをする。
(3)パフォーマンス維持の栄養摂取を心がける。
球団トレーナー’s EYE千葉ロッテマリーンズ
楠貴彦コンディショニングディレクター
メジャー選手並の身体を目指して! 【アミノ酸の力も借りて筋肉量を効果的に増やす】
大学・社会人を経てきた選手なので身体つきはしっかりしていましたが、プロとしてはさらなる身体作りが必要。パフォーマンスを維持したまま筋肉量を増やすために、積極的なウエイトと栄養摂取に取り組んでいます。
食事面では脂肪分を減らし、たんぱく質を多めに摂取するのが基本です。たんぱく質は食事でしっかり摂り、不足分をアミノ酸のサプリメントで補うようにと、チーム全体で指導しています。練習や試合の前、途中、終わった後など最適なタイミングでの摂取が大切ですが、特に重要なのが運動後。必須アミノ酸のBCAAが壊れた筋細胞をリカバーし、筋肉を作る手助けをしてくれるんです。だからトレーニング後30分以内のアミノ酸摂取が、疲労回復やパフォーマンス向上には効果的だと考えています。
藤岡裕大 Yudai Fujioka
1993年8月8日生まれ。岡山県出身。岡山理大付では三塁手兼投手として活躍するも甲子園出場経験はなし。亜細亜大ではリーグ戦通算104安打をマーク。トヨタ自動車では1年目は外野、2年目はショートのレギュラーとして都市対抗野球、日本選手権でも活躍。昨年のドラフト会議でロッテから2位で指名を受けてプロ入りした。
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