
日進月歩のごとく進化するIT技術。情報を巧みに手に入れ、上手く活用することが厳しい高校野球を勝ち抜く術の1つだ。ここではIT技術を野球部に取り入れ、結果に繋げている高校を取り上げ、取り組みの一部を紹介!四日市工業の場合。
スイングを数値化して、フォーム改善
メンバー選考に、アナライザーが統計を取ったデータを役立てるなど、理論的な野球観を持つ小野日出士監督。約4年前から部で使っているのが選手のスイングを計測するスマホアプリだ。
「単純なスイングスピードを計測するだけではありません。バットの軌道や、ヘッドの角度まで細かい数値が測れるので、フォームの改善に役立てています。野球の指導というのは、どうしても感覚的になりがちですが、感覚というのは人それぞれ違います。ですが、数値化されたデータは嘘をつきません。数字を見せて、現状を理解させると選手も納得しますし、根拠のある指導をすることで、説得力も増していきます。選手たちには継続することで、自分の変化を感じて欲しいですね」と小野監督は言う。
月に一度のペースでチーム全員のスイングを計測し、過去に算出したデータと見比べる。数字にした方が、わかりやすく、目標が立てやすいと選手たちからも好評だ。
四日市工業高校
●監督/青木尚龍
●部長/田坂茂政
●部員数/2年生35人、1年生35人
1963年創立の私立校。甲子園初出場は2001年。05年はベスト4、今夏はベスト16に進出するなど、全国の舞台でも活躍を続けている。