カラダづくり

試合前にこれ一本。栄養ドリンクがもたらす思わぬ副作用とは

2016.5.12
  カフェインによる覚醒作用や糖分補給が頭をスッキリさせるが…

 コンビニやスーパーなどで手軽に購入できる栄養ドリンク。栄養ドリンクには疲労回復をもたらすビタミンB群などの他に、覚醒作用をもたらす成分が含まれており、「飲むと元気になるから」という理由で気軽に飲んでいる人もいるかもしれません。しかし覚醒作用をもたらす成分の中にはアルコールが含まれているものもあるので、未成年の選手は注意が必要です。

 覚醒作用の主な成分はアルコールのほかにカフェインがあげられますが、どちらも体内に入ると交感神経を刺激して心拍数を上げる作用をもたらします。眠気覚ましや朝食代わりなどに栄養ドリンクを飲むと、確かに目が冴えて元気になったように感じますが、必要な栄養成分を十分に満たしているものではありません。空腹時では胃酸の分泌が促されて胃壁を荒し、胃痛を起こすことも考えられます。カフェインは現在ドーピング検査の対象外薬物になっていますが、薬物監視リストとしてあげられており、過度に摂取することは身体に副作用(不眠、頭痛、下痢、不安感やイライラ)をもたらすこともあります。

 このほかにも栄養ドリンクには、頭をスッキリさせるために脳のエネルギー源として糖分が多く含まれています。一般的な栄養ドリンク1本(100ml)には角砂糖にして5~6個分(約14~18g)の糖分が含まれているものもあり、1日の栄養摂取量から考えても糖分をとりすぎる要因となります。疲れたときに甘いものが欲しくなるのは、身体や脳がすぐに補給できるエネルギー源を求めているからですが、こうした栄養ドリンクを飲むことで手軽に疲労回復につながるというものではありません。一時的にスッキリした気分をもたらしますが、プラセボ作用(偽薬作用:薬物そのものの効能ではなく、摂取したことによる安心感などの心理的作用)によるものも大きく、覚醒作用と糖分補給による効果とあわせて影響を及ぼすものであることを理解しておきましょう。


  


PICK UP!

新着情報