学校・チーム

【創価】堀内尊法監督|伝えても動かなかったら、伝えてないのと一緒

2024.1.20

なるべくみんなの前で褒める



――2022年に創価大監督を退任後、2023年9月に創価高の監督に就任。わずか2カ月で秋季東京大会準優勝と結果を残しました。アプローチを変えたのでしょうか?
 
堀内 野球部員は試合に出ていない子のほうが多いわけです。理想は試合に出ていない生徒本人や保護者から「ありがとうございました」「おかげさまで成長できました」と言われること。生徒たちには折に触れて「ありがとうな」と声をかけています。

――先ほど来客用のコーヒーを入れてくれた部員に、堀内監督が「いつもありがとう」「おまえの入れてくれたコーヒーはうまいんだよな」と感謝を伝えていたのが印象的でした。
 
堀内 あの子の入れたコーヒー、おいしいでしょ?(笑)。彼はベンチ入りメンバーには入っていないんですが、野球の技術以外にもいいところがあれば褒めるようにしています。それもなるべく、みんなの前で褒める。

――選手は意気に感じるはずですね。

堀内 逆にこちらが間違ったと思ったら、生徒に対して謝ります。たとえば私が出すべきサインを間違えたら「ごめん!」と言います。昔なら「おまえ、おかしいと思わんか? タイムかけろや!」と言っていたかもしれませんが(笑)。

――選手に対して自分の非を詫びるのは、抵抗がある指導者も多いかもしれません。

堀内 松山商にいた高校時代、バントを失敗した日に当時の窪田欣也監督から「朝5時からバント練習をやれ!」と命じられて、本当に朝の4時に起きてバント練習をやったことがあったんです。さすがに監督も5時からやるとは思わなかったようで、あとになって「堀内、知らなくて悪かったな」と謝られたんです。その時に「監督なのに謝れるなんてすごいな」と思ったんですよね。子どもたちだって監督が間違えればわかるし、「なんだよ」と愚痴も言いたくなるはずです。私も試合中に「ごめん、間違えた!」と謝ると、ベンチに笑いが起きていい雰囲気になるんですよ(笑)。(取材:菊地高弘/写真:編集部)

後編へ続きます)

関連記事

  • 1
  • 2


PICK UP!

新着情報