ワンバウンドを止めてこそのキャッチャー
――ブロッキングの技術で、印象に残る教え子はいますか。
三木 今、すぐに思い浮かんだのは、2011年夏に優勝したときの正捕手・鈴木(貴弘/立教大~JR東日本)ですね。後ろに逸らした記憶がほとんどありません。あとは、2003年の正捕手・松永(太輔/立正大~警視庁)。試合で逸らしたのは1球だけのはずです。広島カープで頑張っている坂倉(将吾)もうまかったですね。
彼らはもともと技術がありましたが、試合でワンバウンドを止める成功体験を数多く積むことが、何より大事だと思っています。今年のキャッチャー、大賀(一徹)も、派手さはないですが、よく止めてくれます。
――止めるコツはどんなふうに教えていますか。
三木 自分が大学(東洋大)で先輩に教わったことが、基本になっています。止めにいくときに、どうしても体を丸めて、抱え込むような姿勢になりがちですが、これでは体に当たったときに外に弾きやすい。高校までの自分は、このやり方でした。
先輩に教わったのは、「ボールに向けて両腕を伸ばして、上体を立てて止めろ」。これを覚えてから、体の下にボールが落ちるようになりました。
――ワンバウンドを止めることができれば、ピッチャーからの信頼を勝ち得ることができますね。
三木 ワンバウンドを止めてこそのキャッチャーです。止められるかどうかで、勝敗だけでなく、仲間の人生をも左右しかねない。自分は高校時代に大きなミスをしているので、偉そうに言えるような立場ではないですけど……、同じ悔いだけは味わってほしくないという気持ちを、常に持ち続けています。
インタビュー後編に続きます。
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