高校野球をやり切った人間には「努力を続ける才能」がある
――話を野球に戻しますが、大学で野球を続けることの意義については監督はどのようにお考えですか?浜田「野球にかかわらずなんですけど、OB会の人たちであったり、同じ学生でも色んな学部の人間とかかわることが一つ重要だと思いますね。10代、20代にとって、多様性の中に身を置くことで成長できることは多いですから。それがアイデンティティの確立に繋がっていくと思います。
あと野球に関して言うと、大学になるとプレーヤー以外の役割が確立されていることが大きいです。マネージャー、学生コーチ、分析班、色々な立場の人間が必要になってくる。高校までも多少はあるかもしれませんが、どうしても補欠のメンバーがやる雑用みたいな位置づけですよね。それが大学では必要な役割として与えられている。この違いは大きいと思いますね。
あとはやっぱり人の繋がりも大学までやると広がりが全然違います。そういった面も大学で野球をやることで得られることじゃないですかね」
――今年は甲子園大会も中止になって、少し不完全燃焼感のある球児も多いと思います。最後にそんな球児に対して浜田監督から今後の受験へのアドバイスやメッセージがあればお願いします。
浜田「まず最後まで高校野球をやり切ったみなさんは、努力を続ける才能があると思いますし、また努力することの大切さもよく分かっていると思います。これは今後の人生にとって非常に大きな財産です。可能であれば、大学でも野球を続けることで、その努力する才能に更に磨きをかけてもらいたいですね」
(取材・文:西尾典文/構成・永松欣也)
浜田一志さんプロフィール
1964年高知県生まれ。土佐高校野球部でプレーし、東大理Ⅱに現役合格。野球部でも主将として活躍した。卒業後は東京大学工学系大学院に進学し、新日鉄を経て1994年に学習塾「Ai西武学院」を開業。2013年から2019年までは東大野球部の監督を務めた。現在は全国各地で講演活動を行い、今年にはYouTubeチャンネル『文武両道はまちゃんねる』を立ち上げるなど、東大合格を目指す高校球児に向けて支援活動を行っている。Ai西武学院
http://www.ai-seibu.jp/
文武両道はまちゃんねる
https://www.youtube.com/channel/UCVGcSfnm9n9ovjy2wbJBgbg
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