トレーニング

股関節の動きと内転筋の鍛え方

2019.9.27

投球動作やバッティング動作などでいわれる「下半身の粘り」はどこからくるのでしょうか?
これは両足を地面についたときではもちろんですが、片足だけで体を支えるときにもいかにその姿勢、体勢を保持しながら、軸足となる方の太もも内側にある内転筋がいかに働くかということとも言えます。

また股関節がスムーズに動かないと力がうまく伝わらず、せっかく筋力を挙げてパワーを生み出そうとしても十分に発揮されないということにもなります。野球の動作をより良くするためには股関節の動きをよくし、同時に内転筋を鍛えることが大切であると言えるでしょう。

さまざまな動作の中で股関節を動きやすくするためには、自重負荷などで股関節を十分に動かすことが重要です。前に一歩踏み込むフロントランジでは踏み込み足の股関節に体重をしっかりとかけた上で、股関節周辺部の筋肉をストレッチするつもりでエクササイズを行いましょう。
さらに踏み込み足の太もも内側にある内転筋を意識し、両方の足を挟み込むように行うと内転筋のトレーニングにもつながります。

踏み出し足の内転筋を使って挟み込む意識で行う。体幹はぶれないように。

横へと一歩踏み出すサイドランジでは、股関節の動きと同時に足を戻すときに内転筋を意識するように行いましょう。フロントランジ、サイドランジともに体の軸を意識して左右前後にぶれないように行うことが大切です。

横に一歩踏み出し、元の位置に戻るときに太ももの内側を締めるようにする

エクササイズの基本であるスクワットも股関節の動きをよくし、内転筋の強化にもつながります。正しいフォームで股関節をしっかり深く曲げるようにしましょう。また自宅に適当なボールがある場合は、それを両方の太ももで挟み込んでスクワットをするとより内転筋を意識することができます。膝が内側に入らないように注意しながら、ボールを挟み込んでスクワットを行いましょう。

自重のみでのトレーニングでも十分に下半身の粘りにつながる内転筋を鍛えることができます。股関節が硬さや下半身の粘りをつけたいと考える選手はぜひ自宅でこうしたエクササイズを続けてみてくださいね。

著者プロフィール

アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。

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