これまでウエイトトレーニングに取り組んできた選手、チームはこれから始まる地方大会の期間中もトレーニングは続けた方がいいのでしょうか? 続けるのならばどんな点に注意したらいいのでしょうか?
オフシーズンを中心にチームでウエイトトレーニングに取り組んでいるチームも増えてきました。一方でシーズン中は短い練習時間で技術練習を行うことが多いため、どうしてもトレーニングは各自任せになったり、時間がなくて行っていなかったりということもあるでしょう。
この他にもウエイト(負荷)を用いてのトレーニングは筋肉痛が起こりやすいため、翌日の練習や試合に影響するといった体のコンディションを理由にトレーニングを行わないということもあるでしょう。ただし、今まで積み重ねてきたトレーニングをやめてしまうと、時間とともに筋力はゆるやかに低下していきます。
ウエイトトレーニングの頻度はおよそ週2〜3回の継続で筋力強化、週1回で筋力維持がその目安とされています。筋肉痛などを考慮するのであれば、週末の練習後にトレーニングに取り組み、次の日を休養日にあてる(たとえば日曜日に練習試合を行い、トレーニングを行って月曜日が休養日というパターン)、もしくは練習試合の翌日にアクティブレストを兼ねてトレーニングを行い、その次に休養日を設定する(たとえば日曜日が練習試合、月曜日にトレーニング、火曜日が休養日)といったスケジュールが取り組みやすいといえるでしょう。
地方大会などの試合期のウエイトトレーニングは「挙上回数、セット数は少なく、より重いものをより速くあげる」ことを意識して行うようにします。今まで構築した筋力が一瞬で大きな力を発揮できるようにパワーをつける時期にきているからです。こうするとトレーニング時間もオフシーズンに比べると比較的短い時間で行うことができます。
一方、連戦になる場合は疲労回復を目的とし、試合後に軽めの負荷で行うようにすると、体全体の血流がよくなり、疲労物質の分解・代謝サイクルを早めて疲労物質の除去に貢献します。扱う重量を軽くして、体全体をストレッチする感覚で行うようにすると良いでしょう。さらに自重を使ったトレーニングで筋持久力や敏捷性、バランス能力などを鍛えることも試合期には行いたい体力強化の一つです。
こうしたトレーニングは体が疲労していないフレッシュな状態に行うことが望ましいので、ウォームアップのエクササイズとして組み込んでしまうと継続して取り組むことができます。
試合期であっても行うタイミングやエクササイズを選択し、筋力が低下しないように取り組むことがパフォーマンス向上とケガの予防につながります。持てる力を十二分に発揮するためにも、どのような形であれトレーニングは続けていくことが大切です。