乙訓高校取材の最後は恒例の選手座談会! ナツタイを目前に控えた時期に3選手が座談会に参加してくれました。果たしてどんな本音が飛び出るでしょうか? 次戦の4回戦は強豪・福知山成美が相手です!
写真左から
久保爽馬(3年)
嘉門凌大(3年)
田中純平(3年)
YOUはどうして乙訓に?
――乙訓に入ろうと思ったきっかけは?嘉門 施設が素晴らしいことと、部員が多い中で競争しながら自分のレベルも高めていけると思ったからです。
田中 兄が通っていたので、その姿を見て格好いいなあと思って決めました。
久保 京都の公立校で、乙訓なら甲子園を狙えると思いました。自分は(京都市内南部の)宇治から1時間くらいかけて通っています。
嘉門 自分は京田辺なので、もう少し遠いんです。だいたい通学は1時間15分くらいかかります。毎日朝練をしているので、朝は始発電車に乗っています。学校に着くのは6時半くらいですかね。家から持ってきたおにぎりが朝ご飯です。
田中 自分は隣の向日市から自転車ですぐなので、嘉門はいつも大変やなぁと思っています。キャプテンとして、厳しいことも言ってくれるしプレーでも引っ張ってくれて頼もしいです。
久保 嘉門とは同じクラスなのですが、ホームルーム委員長もやっているんです。クラスの行事などをまとめて引っ張ってくれるんです。
嘉門 前期、後期に分かれて誰かがやることになっているんですけれど、前期は自分で後期は久保がやることになっています。
久保 自分はちゃんとやれるのか不安です…。人前で何かをするのが苦手なので(苦笑)。
――副キャプテンが田中君だと聞きました。
田中 はい。自分ともう一人田尻がいるのですが、嘉門のサポート役をやっています。
嘉門 自分が授業などで練習に出るのが遅くなったりした時は田中たちに代わって仕切ってもらっています。
――監督さんは久保君がムードメーカーだとおっしゃっていますが…
嘉門 ムードメーカーというより、天然キャラですかね(笑)。真面目な顔で間違った練習メニューを言う時もあって、周りから厳しいツッコミに遭う時があります。
久保 そうなんです。でも、最近は流されることが多いです。
嘉門 もう、みんながあまり信じなくなって(笑)。
田中 何を考えているのか分からなくなる時もありますね(笑)。
――昨春、チームがセンバツ出場した時、3人はどこから試合を見ていたのですか?
嘉門 自分はケガでベンチを外れてボールボーイでした。ベンチの横から見た甲子園は…ステージに見えました。それで、自分がその横に立っているみたいで。試合が始まる前、メンバーと一緒に自分らボールボーイもスタンド横からベンチに入るんですけれど、入ってから見たスタンドが大きすぎて鳥肌が立ちました。ボールボーイをしているだけでも楽しかったです。もっと試合がしたいと思いました。
田中 自分たちはスタンドだったんですけれど、今まで応援してきた球場で一番楽しかったですね。
――センバツを経験した先輩からバトンを受けてチームがスタートしましたが、チーム作りの中でまず始めたことって?
嘉門 秋は京都の準々決勝で負けてしまって冬の練習が早く始まったんですけれど、全体でというより学年ごとにまとまりを作っていこうと監督さんから話があったので、今の2、3年生が学年で分かれて練習をして、学年ごとにチーム力を上げていこうとしました。ミーティングも学年ごとに分けて、細かくやってきました。
――学年ごととはいえ、色んな意見が出るとまとめるのが大変だったのでは?
嘉門 意見を出せる人が少なかったので、それは大丈夫でした。自分や副キャプテンの田中とかが一方的に喋ることが多かったですが、みんなで考えながらやってきました。
田中 自分は何かを言ったというより、嘉門の言葉に頼ることが多かったです。みんなで話し合いながら、意見を出し合ったりしました。
――一番大変だった時期は?
久保 1月くらいです。練習でランニングメニューが多めに入ってくる時期で、この時期が一番キツかったです。
嘉門 メニューは週によって変わるんです。1月の初めはキツかったんですけれど、日が経つにつれて量を落としていきました。距離や本数を変えながら走るんです。
田中 学校のグラウンドにコーンを置いて…冬はずっと走りました。
嘉門 かなりキツかったですけれど、しんどい中で久保がしっかり声を出して盛り上げてくれたのはありがたかったです。
久保 はい。あの時は大きな声を出しました(笑)。
東邦・石川君の打球はすごかった!
――3月から練習試合を多くこなしていましたが、春に勢いをつけるきっかけになった試合はありましたか?
嘉門 智弁学園さんや東邦さんとの練習試合です。特に東邦さんはセンバツで優勝されましたが、ユニホーム負けというか相手に圧倒されて負けてしまったような試合でした。点差もコールドのような点差で。監督に「相手に食らいついていくような試合をしないとまず勝てない」と言われて、常に積極的な気持ちをしっかり持つことの大事さを感じました。
田中 ただ、東邦の石川君の打球、すごかったです。見たことのないような強い打球を飛ばしていました。体を見ても自分たちとは違うなと思いました。
――春の京都での戦いはどんな歩みだったのですか?
嘉門 秋は初戦でいきなり京都両洋さんと対戦してサヨナラ負けをしたんです。その時のトラウマというか、恐怖心みたいなものがあったんですけれど、何とかコールドで勝てて「自分たちもできるんだ」という自信を持って戦っていけました。毎試合、課題は出てきましたが次の試合までにその課題をつぶしながら勝ち上がって来られました。
――春の府の決勝まで勝ち上がって来られた要因は何だと思う?
嘉門 気持ちの持ち方だったと思います。ベンチのムードもすごく良かったです。
久保 自分は秋はベンチに入っていなかったのですが、春はベンチに入って声は出していました。
田中 久保は今ではベンチでは欠かせない存在になっています。
――今年の京都は私学の強豪を中心に激戦が予想されますが、夏はどんな試合をしていきたいですか?
嘉門 勝つことが支えてくださった方への一番の恩返しになりますが、先を見ずに一回戦からしっかり足元を見て戦っていきたいです。
田中 目の前の相手だけを見て、一戦必勝で戦います。
久保 1試合ずつしっかり戦っていって、甲子園に繋がっていったらと思っています。
大会前の大事な時期にありがとうございました!
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