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【都立日野】「西東京最強の都立」の練習メニュー

2018.5.8

投げてから0.4秒で打つ!

バッティングメニューの最後は実際に打撃投手が投げるボールを打つもの。グラウンドの都合もあってバックネット方向に向かって打っていたが、特徴的なのは投手と野手の距離が短いこと。投げてから0.4秒で打つことを目安としており、投手が速いボールを投げなくても距離が短いことでそれを補っている。


そして打撃投手を務める選手もただ同じペースで投げるのではなく、緩急やコースを使い分けながら投げるように指示されていた。実際に身につけた強く振る力を実戦で生かすための練習と言えるだろう。これも4か所で選手の入れ替えもスムーズに行うなど、数をこなすための工夫が見られた。


私立に負けない体力をつけながら技術も伸ばす。メニューもYouTubeの動画などを参考に取り入れているという。そんな効率的な練習が実を結び、あと一歩で甲子園というところまで来ているが、その一歩を乗り越えるにはやはり意識的な部分も重要だと嶋田監督は話す。

「野球は必ずしも力のあるチームが勝つわけではないです。間違いが起こることも多々ある。だからうちは間違いを起こせるだけの準備はしっかりしておこうということでやっています。でも同じ高校生ですから、強豪校でも全員が全員凄い選手というわけではない。佐々木(千隼)が3年の時に東京都の選抜チームに選んでもらって、色んな選手と一緒にやってきたんですけど、鈴木誠也(広島)は投げても打っても凄かったけど、他はそこまででもなかったって言っていました。そう思えたから、佐々木は大学でも伸びたんだと思うんですよね。意外にそれくらいの差だと思います」

都立という枠にとらわれず、全体のレベルを引き上げながら力の劣る相手からも間違いを起こせるだけの準備をする。それが伝統となっていることを強く感じる日野の練習風景だった。
(取材・写真:西尾典文)


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