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【川和】練習後に塾へ通う選手たち、グラウンドでも実践する「アクティブラーニング」

2018.4.26

偏差値70に迫る進学校であり、毎年国公立大学に進学する生徒を多く輩出する神奈川県立川和高校。野球部は激戦区と呼ばれる神奈川県内で“公立の強豪”として広く認知され、勉強、野球ともに全力で取り組む姿勢が良い結果を生み出している。そんな文武両道を貫くグラウンドを取材した。


「なぜこの練習を行っているのか?」と選手に考えさせる

激戦区神奈川において、公立校ながら主要大会でコンスタントにベスト16、32に進出する川和。選手の過半数は部活動と学習塾を掛け持ちしている。19時ごろに練習を終え、帰宅せずそのまま塾へ向かい勉強する毎日だ。野球部を指揮する伊豆原真人監督は選手たちの置かれている状況をこう語る。

「彼らが親、教師、世間の人から求められるプレッシャーというのは生半可なものではないでしょう。だからといって、野球と勉強のどちらかに天秤が傾くことはありません。両方とも100パーセントの力で行います。ただ、年々真面目な子が増えていくように感じるので、正直言うともう少し良い意味で楽しく野球をして欲しい気持ちはあるのですが……」。


川和高校野球部を指揮する伊豆原真人監督

伊豆原監督自身も公立の進学校出身ということもあり、選手たちの心境は当時の自分と重なるという。自らが経験してきたことや、感じていたことを選手に伝え、文武両道を実践しやすい環境を整えている。また、練習においては「なぜこの練習を行っているのか?」と選手に考えさせるという。野球も勉強と同じく、理論をしっかり頭に刻み込み、答えを導く方程式を模索することで選手は成長する。

「ウチは理屈を突き詰めていくタイプの選手が多いです。でも、野球というのは頭で考えただけで満足してはダメですよね? 勉強であれば考えた後に紙に書くだけですが、野球は考えた後、身体を使って表現しなければいけない。頭で考えた理想のプレーへのズレが少ない選手を目指し、グラウンドで日々自分自身と向き合っていると思います」。

グラウンドでもアクティブラーニング

グラウンド内での規律の取れた声、動きというものは「高校野球らしさ」の一部ではあるが、川和ではそういった光景を見かけることは少ない。その分、上級生が下級生を呼び止め、身振り手振りで指導をしたり、スマホを使ってフォームの動画を撮影し、選手たちでディスカッションする姿は、さながら大学野球のようだ。

「最近教育の現場でも使われる『アクティブラーニング』を彼らはグラウンドでも実践しているんだと思います。下級生に自分の考えを伝えることで、教えている方も上手くなります。選手自身が気づいたことは大事にしていきたいですね。練習中に教え合っていても止めたりしないので、強豪私学のようなキビキビとした動きはうちにはないですし、たぶんできませんよ(笑)」

今夏は100回記念大会ということもあり、神奈川県は2チーム甲子園に出場することができる。川和の所属するブロックでは今春のセンバツ大会でベスト4に勝ち進んだ東海大相模が抜きんでた存在だ。しかし、勝たなければ聖地に進むことはできない。

「あと3ヵ月で夏の大会ですが 何もかもまだまだ足りていない状況です。冬を越えて確かに上手くなった部分もありますが、高校生はみんな上手くなるもの。相手より角度をつけて成長グラフを描かなければいけません。もちろん目標は東海大相模の選手。『東海大相模の選手と比べると自分は果たして伸びているのか?』と考え、残りの時間を有意義に送ってもらいたいです」。

勉強と野球を全力で取り組む川和ナイン。考える野球で聖地を目指す。(取材・撮影:児島由亮)

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