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【高校野球で観察眼が生かされたプレー】2016年|鶴岡東(山形)×いなべ総合(三重)

2018.4.20

第98回全国高校野球選手権大会 1回戦
鶴岡東(山形)×いなべ総合(三重)

プロ野球に比べるとデータが少ない高校野球。しかし、それでも観察眼を発揮できる場面というのはたくさんある。ここでは高校野球で実際にあった観察眼が生かされたプレーをタイムリーでもおなじみの高校野球データライター西尾典文氏に紹介してもらった。


【戦評】

鶴岡東は2回表に2点を先制。いなべ総合は3回に1点を返すと、5回には三番神田の好走塁で逆転に成功。8回には二番宮崎のホームランなどで2点を追加。投げては3人の継投で鶴岡東の反撃を1点に抑え、嬉しい甲子園初勝利を手にした。

練習中の観察眼が大舞台での好判断となる

試合を決めたのはいなべ総合の三番神田の鍛えられた観察眼から生まれた好走塁だった。5回裏、2対2の同点に追いつくとワンアウト一・三塁で打球はセカンド後方へ。二塁手が後ろ向きで捕球し、体勢が悪いのを見ると三塁ランナーの神田は迷わずにスタートを切り、ホームに滑り込み逆転に成功。記録は世にも珍しい“セカンドへの犠牲フライ”となった。結果的にこれが決勝点となり、いなべ総合が記念すべき甲子園初勝利をマークした。

試合後に神田は「二塁手が後ろに下がっていたので、ホームには投げられないと思った」と話したが、その観察眼と一瞬の判断力が勝敗を左右したと言えるだろう。いなべ総合を率いる尾崎英也監督は通算9度の甲子園出場を誇る、東海地区の公立校を代表する名将。アイデアマンでも知られ、数々のユニークな練習法を編み出しているが、相手の隙を見逃さない走塁練習も普段から行っているという。そのような日常的な練習が甲子園の大舞台で、記憶に残るプレーに繋がったに違いない。

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