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【日大鶴ヶ丘】限られた時間の中で、効率性を重視した実戦的な練習

2018.3.27

1990年に創部初、近年では2014年に通算三度目となる甲子園出場を果たした日大鶴ヶ丘。平日の練習時間は約2時間と限られた中、コンスタントに結果を残している背景には効率の良い日々の練習がある。春季東京都大会の予選前のグラウンドを取材した。


投手も打者も真剣勝負のバッティング練習

バッティング練習はマシン2ヶ所、手投げ2ヶ所と一見普通のバッティング練習に見える。だが、手投げの2ヶ所は打撃投手ではなく、実際の投手が本気で投げている。

さらに決まりとして、投手を二人配置し、1球ずつで交代。打者は2スイングで交代(しかしストライクを1球でも見逃したら即交代)。簡単にいえば、打者も投手も常に3-2の状態で対峙しているということだ。試合と同じく、常に一球で仕留める集中力を持ち、緊張感を持った勝負を繰り広げる。

「投手は打者を仕留めるため、変化球も投げます。投手というのはブルペンで良くても、実際にマウンドに立つとまったくストライクゾーンに入らないこともある。だから、うちはブルペンで投げ込む時間よりも、このようにバッターと対峙させることが多いですね」(萩生田監督)。

残り二つのマシン打撃では、金属バットではなく、1200gの竹バットを使う。バットの芯で捉える感覚と、振る力を打者は養っている。また、打球を処理する守備陣もけっして気を抜いていない。実際の打球を捕ることで、瞬時の判断力を身につけながら、セカンドベース裏にネットを置き、外野手はバックセカンドの送球練習、捕球する選手はタッチプレーの練習を行っていた。

つまり一つのバッティング練習で打撃と守備と投球を同時に鍛えているというわけだ。限られた短い時間でいかに効率良く練習する工夫が光っている。

ランナーをつけたケースノック

昨秋は投手の課題以外にも、守りの部分でミスが続いてしまった。そこで、春の大会前の実戦練習の一つとしてランナーをつけたケースノックが行われた。日大鶴ヶ丘では通常のノックより、ケースノックに時間を割いて守備を鍛えている。特長として『テンポの速さ』が挙げられる。やはり、練習時間も限られているため、ノックもスピーディーに行わなければいけない。「このテンポに慣れないとメンバーには入れません」と津田寛行部長は語る。

選手たちは良いプレーに対して大きな声で「ナイスプレー!」と仲間を褒め、自然と拍手をする。逆にミスや怠慢なプレーには真剣に怒る。常日頃から部員同士で指摘し合うことを意識しているという。一つのプレーを流さす、一球に集中する雰囲気ができている証拠だ。

迅速なボール拾い

練習時間が短いため、選手たちのグラウンド内での動きは非常に俊敏だ。どうしても、練習の合間のボール拾いなどの時間はダラダラしがちだが、日大鶴ヶ丘の選手たちの動きは迅速かつ丁寧。無駄な時間を減らし、少しでも練習を濃密なものにしようとする意識の高さが垣間見られる瞬間だった。

取材後に行われた春季東京都大会予選。今年初の大会初戦で日大鶴ヶ丘は13-0という大勝を収めた。幸先の良いスタートを切ったナインが、ケガ無く順当に勝ち上がることを願いたい。

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