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【注目選手2018春】プロ注目の大型スラッガー｜野村佑希（花咲徳栄）

2018.2.5

写真｜花咲徳栄の野村佑希選手

野村佑希（花咲徳栄）投手兼野手

編集部注目POINT
鍛え抜かれた肉体で、プロ野球選手ばりのスイングスピードを見せるスラッガー。ゆったりとタイミングをとり、鋭く振りぬくバッティングは世代最高との呼び声が高い。昨夏の甲子園では四番としてどっしり構え、チームの優勝に大きく貢献した。

冬の打撃改造で打球の質が大きく変わった

――まず、野球を始めたきっかけを教えてください。
周りの友達の影響が大きかったです。みんながやり始めたので「じゃあ自分も……」という感じで、小学2年生のときに地元の軟式野球のチームに入りました。当時はそこまで情熱はなく、憧れの選手もいなかったです。

――花咲徳栄を選んだ理由は？
中学のチームの監督が（花咲徳栄の）岩井監督にお願いし、試合を観に来ていただいたのがきっかけです。当時は県大会1回戦に勝つのがやっとなくらいのチームでした。

――どこが評価されていたと思いますか？
身体が大きいということだと思います。そこしか取り柄がなかったんです。周りよりも少し速いボールを投げられ、少し遠くへ打球を飛ばせるだけ。技術的な部分は全然ダメでしたね。

――強くなかったチームから全国レベルの高校に来たわけですが、入学してからの苦労や挫折はありませんでしたか？
高校1年生の秋が一番苦しかったです。その年の夏までは主にピッチャーの練習をしていたのですが、秋は“打線が課題”ということで僕は野手に専念し、試合に出るようになりました。でも、ボールも全然見えなくて、最初は全く打てませんでした。

――そんな状態から2年生の春にホームランを量産。そして今では全国で注目されるプレーヤーになりました。他の選手と比べて自分が優れている点はどこですか？
自信を持っているのはインコースのバッティングです。もともとは苦手でしたが、1年生の冬に『回り打ち』という小さく回転をして打つ練習を始めました。その効果で詰まっていたボールがバットの芯で捉えられるようになり、飛距離も出るようになりました。2年生の春からは自分でもガラッと変わったと感じましたね。今では飛距離や、打球の速さに関して同級生には負けないと思います。

やるべきことを早く済ませる
オンオフの切り変えが大切

写真｜インタビューに答えてくれた花咲徳栄の野村佑希選手

――この冬に重点的に取り組んでいることがあれば教えてください。
インコースを飛ばすことはできるので、今度はアウトコースを意識しています。昨夏の甲子園では外のボールが打てなかったわけではないのですが、インコースに比べると少し腰が引けてしまい長打にできませんでした。アウトコースの球でも合わせるのではなく、しっかり踏み込んで身体全体を使い長打にできるようにしたいと思っています。

――バッティング以外に、課題と思っているところはありますか？
とにかく守備ですね。いくら打てても守ることができなければ上のレベルでは使ってもらえないと言われているので、守備に関してはもっとレベルアップしなければと強く思っています。今はサードの練習にも積極的に取り組んでいます。

――普段の生活の中で意識していること、ルーティンなどはありますか？
夜はやるべきことを早く済ませ、自分の時間を多く取るようにしています。その時間で何か決まったことをやるわけではないですが、漫画を読んでリラックスをしたり、先輩の部屋に行ってじっくり話をしています。

――ちなみに、同じ学年の選手で意識している選手はいますか？
特に印象に残っているのは国体で対戦した大阪桐蔭の藤原（恭大）選手です。自分はその試合ピッチャーだったんですけど、彼には簡単に打たれてしまいました。肩も強かったですし、足も速い。すべての面ですごいと思いました。

――昨秋の関東大会後は主将を任せられています。甲子園優勝校の主将として意識していることがあれば最後に教えてください。
岩井監督からは夏の経験をした自分が引っ張らないといけないんだ、と強く言われています。チームが負ける＝主将の自分がダメだということ。今まで以上に気合も入っていますし、周囲の目をしっかりと意識した行動でチームを引っ張っていきたいです。