トレーニング

【球速アップ講座】相原さんに聞く「回転軸の作り方」の極意!

2017.6.22

第三回「球速アップのための回転軸の作り方」

回転軸の作り方の解説してくれた相原さん

ココロとカラダのコンディショニングトレーナー、相原雅也さんによる球速アップ講座。ここまでは『腕の回し方』、『腰の落とし方』について詳しく解説してもらいました。今回は三つ目
のポイントである『回転軸の作り方』をレクチャーしてもらいます(聞き手・西尾典文)。


▼球速アップのための回転軸の作り方

──投げる動きは並進運動と回転運動だということは伺いましたが、回転運動と言ってもただ回転すれば良いというわけではないんですね。

相原:前回の「腰の落とし方」のところでも少し触れましたが、投手はなるべく前、つまりバッターの近いところでリリースした方が有利ですよね。前でボールを離す、球持ちを長くするという表現もよく聞かれると思います。それを考えると前の足をついて体の中心で回転するよりも、ついた足を軸にして回転した方がボールを持っている手は明らかにバッターに近くなります。まずそのことを理解することがスタートです。

──頭では理解できますが、実際にそのように回転するために重要となる体の部位や動きはどのあたりになりますか?

相原:踏み出した方の足が回転する軸になりますから、着地したらそちら側の肩や手をまず動かさないように意識します。そして右投げなら投げる側の右手をその軸にある左手の方に持っていくイメージですね。投げる動作ではなくて、ただ固定して体を動かすことであればみんな簡単にできます。ただ実際ボールとグラブを持って投げてみるとこれができていないことが多い。だからまずは何も持たずに踏み出した足を軸にして回転するということをやるようにしています。

回転し終わると軸になっている方の股関節や足に力が入っていることがよく分かると思います。あとイメージしてもらう時によく使うのはドアノブですね。右投手なら押して開く扉のドアノブを左手で持って、それを開けようとして引くとドアは動かないのでそこが軸になる感覚がよく分かります。

──グラブを持つ側の手を固定して軸に回転して、最初のポイントだった腕を回す動作をするとスムーズに速く腕が振れるということですね。

相原:そうです。多いケースは軸となる方の手が外に逃げてしまうこと。そうすると回転軸がぶれてスムーズに回ることができませんし、両方の腕の使い方がばらばらになって大きな力を生み出すこともできません。

腕を回す動きのところで両方の腕を最後に同時に外旋させているのも、この時の動きに繋がってきます。リリースする時は軸となる側の手が体の近くに残ったまま、投げる方の手がそれを追い越していくようなイメージですね。

──よくグラブを持つ手を引くとか抱え込むとか言いますが、重要なのはそこだけではないということでしょうか。

相原:グラブをいくら体の近くに引いても軸がぶれてしまったらスムーズに回転することはできません。そうならないように上手くいかない選手にはグラブを持つ手をその反対側の胸の前(右投げなら右胸)の前に持ってくるように言ったりします。そうすれば軸がずれることなく、両腕の動きも同じように外旋できるようになります。

──他にピッチャーだからこそ気をつけるポイントなどはありますか?

相原:今は平坦なところで実演していますが、ピッチャーが実際に投げるとなるとマウンドの傾斜がありますよね。だから傾斜に負けない運動方向のベクトルを作る必要があります。傾斜と同じ方向にベクトルが向いていたらボールは下に行きますよね。そうならないためには後ろ側の腰(右投げなら右腰)が前の腰より上がってこないといけません。そうするために骨盤は縦回転させます。

柔道の背負い投げやバドミントンのスマッシュなんかと同じイメージですね。上手く骨盤が縦に使えるとバランスも良くなりますし、投げ終わった後も前の足一本で安定して立つことができます。

前にも例に出た上原投手(カブス)や昨年引退した黒田投手(元広島)なんかの投げ終わった体勢を見ても、左足一本でしっかり立てているのがよく分かります。

第四回「球速アップのまとめとそれ以外の効果」へ



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▼球速アップアドバイザー 兼ホグレル硬式野球部監督
相原雅也
http://www.hogrel.com/hogrel/baseball.html

▼ホグレル硬式野球部
http://ameblo.jp/yoannahogrel/entry-12230520276.html



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