企画

【山本昌こだわりの投球術】第4回 カーブは空手チョップで投げる!

2016.4.4



プロ生活32年間で通算219勝を挙げ、50歳までプロ野球選手として活躍したレジェンド山本昌氏。日本テレビ系『NEWS ZERO』でスポーツコメンテーターのレギュラー出演なども続々と決まり、引退後も多くのメディアの注目の的となっている。そんな山本昌氏初のピッチングバイブル最新刊『ピッチングマニア レジェンドが明かすこだわりの投球術』(学研プラス刊)が全国の書店、ネット書店で発売開始となった。

Timely!WEBでは発売を記念して、特に高校球児や小学生、中学生でもすぐに明日から実践できるポイントをピックアップ。
短期連載第4回は「カーブの投げ方について」。


<連載予定>
第1回(3/28配信)   大きく使って投げる
第2回(3/30配信)   軸足のヒザを意図的に折らない
第3回(4/2配信)    コントロールをつけるのは中指
第4回(4/4配信)    カーブは「空手チョップ」で投げる
第5回(4/6配信予定)  相手の心臓を狙ってキャッチボール
第6回(4/8配信予定)  ストライク先行で勝利に近づく
第7回(4/10配信予定) ピッチャーの強さがチームの強さ



カーブがなければ、これだけ長く現役を続けられなかった

「山本昌=スクリューボール」のイメージを持つ人が多いと思いますが、私はカーブにも自信を持っていました。カーブがなければ、長くピッチャーを続けることができなかったかもしれません。

最近はカットボールやツーシームなど、小さく曲がる変化球が主流になっていますが、そんな時代だからこそ、カーブの意味が出てくると思うのです。変化が大きいうえにストレートとの球速差がある。バッターのタイミングを狂わせるには、最適なボールといえます。
現役時代、ストレートとカーブの調子が良いときは、ピッチングが楽でした。

楽と思える一番の理由は、カウントを取りやすくなるからです。バッターは基本的に速いストレートに照準を合わせています。
初球から緩いカーブを待っているバッターは少ない。そこでカーブを投じると大事なファーストストライクを取ることができるわけです。
ただし、です。バッターは「緩い球が多い」と分かっていれば、緩い球を狙ってきます。
ストレートの意識を植え付けてあるからこそ、緩い球が生きてくる。いくらカーブが武器であっても、カーブだけでは抑えることができません。


▼カーブのコツは空手チョップ

カーブは決して曲げようとしないこと。リリースはひねるのではなく、前で切る。



《ポイント》
カーブを投げるときは、決して曲げようとしないこと。速い腕の振りの中で最後にポンと抜けるから、強い回転がかかるのだ。
リリースはひねるのではなく前で切る。「空手チョップ」をイメージして投げてみよう。


▼カーブの握り

中指を縫い目にかけ、指の付け根にも縫い目を多く触れさせる



《ポイント》
カーブのポイントは中指をボールの縫い目にかけること。さらに、指の付け根に縫い目が多くふれることで安定感が生まれる。



著者プロフィール
山本昌 
神奈川県茅ヶ崎市立松林中学校、日本大学藤沢高校を経て、1983年秋のドラフト5位で中日ドラゴンズに入団。5年目の88年、アメリカへの野球留学で急成長し、同年8月にプロ初勝利を挙げる。以降左の先発投手としてチームを支え、93、94、97年に最多勝。94年には沢村賞も受賞した。2006年9月16日には史上73人目のノーヒットノーランを達成。41歳1ヶ月での達成はプロ野球史上最年長記録だった。15年10月7日、50歳1ヶ月で登板した広島カープ戦をもって現役引退。プロ32年間の通算成績は219勝165敗5セーブ、防御率3.45。
公式ホームページ


『ピッチングマニア レジェンドが明かすこだわりの投球術』
山本昌著
出版社:学研プラス
四六版/233ページ
購入は こちら



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