特定の選手に頼らないチームづくり

東京都市大高校に比べると東京都市大塩尻はスポーツ、野球に力を入れていて、甲子園を現実的な目標として入ってくる選手も多い。ただそれでも一部の能力が高い選手に頼ることはしていないという。
「2019年の春に県大会で準優勝して北信越大会にも出ました。この年はバッテリーがしっかりしていたので手応えもあったのですが、夏には飯山高校に負けて勝ち進むことができませんでした。1年半くらいやってみて、力のある選手もいるんですが、自分だけの力では難しいなと感じて、同級生で関東一でも指導していた佐久間和人に声をかけて2020年の春から部長として来てもらいました」
佐久間部長に言われて気が付いたことがあった。それは選手たちの技術の差はそこまで大きくないということ。
「それまで私は4番や中軸は固定して戦いたいという気持ちがあったのですが、力のあるピッチャーが来たらそんなに打ち崩すことはできません。それならその時点で状態のいい選手を使った方が良いということを考えるようになりました。それからは誰か1人に頼るという考えはなくなりました。そういう戦い方だと、その選手がダメだった時に対応できないなと思ったんですね。怪我をすることもありますし、そういう選手が勘違いしてしまうこともあります」
実際、2023年の秋に一番力のあるバッターだと思っていた選手が、夏にはレギュラーから外れたことがあった。
「常に替えがきく選手を作っていこうという考えで臨んでいますし、練習についても全員が同じ取り組みをするようにしています」
取材当日の練習を見てもレギュラー、控えという区別がないように見え、また選手たちも個人が自分で意識高くレベルアップを図ろうとしているように見えた。昨年春は北信越大会でも決勝に進出するなど、結果もついてきているだけに、今後も全員でレベルアップに取り組み、全員で戦う東京都市大塩尻がどんな戦いを見せるのか、ぜひ注目してもらいたい。(取材・西尾典文/写真・編集部)
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