学校・チーム

【大宮東】飯野幸一朗監督|キャプテンは置かない、最上級生一人ひとりに求めたい責任感

2024.7.6

最上級生一人ひとりに求めたい責任感



――チームとしての話もうかがいます。大宮東は公立校ながら、体育科があり運動部の活動が盛んです。野球部にはどのような選手が入ってくるのでしょうか。

体育科の生徒が多いですが、普通科からも入部してきます。冨士のようなハイレベルな生徒もいれば、中学で野球を始めたような生徒もいます。その意味では幅広い生徒が集まってきますね。

――飯野監督は2022年秋に監督に就任して、2023年春にはいきなり埼玉大会ベスト4と結果を残しました。一方で今春は南部地区予選で慶應志木に0対2で敗退。県大会に進めませんでした。手応えと難しさを感じた2年間だったと想像します。

やはり高校生がやる学生スポーツですから、技術と同じくらい内面が大事だと痛感しました。生徒のスイッチをどうやって入れてやるか、今のチームはまだ入っていない感じなのでこれからですね。

――現在はキャプテンを決めていないそうですね?

最上級生一人ひとりが責任感を持って、「自分たちのチームなんだ」という気持ちを醸成したいと考えています。

――冨士投手という大黒柱がいるだけに、「冨士頼み」という状況にもなりやすいのではないかとも想像します。

その点はずっと課題にしています。冨士は三振の取れる投手なので、野手の守備機会が減るという側面もあります。知らず知らずのうちに守備のリズムやプレーの精度が悪くなり、バッテリー頼みになってしまっていたのが今までのウチでした。21人の3年生が、「チームの代表なんだ」と先頭を走ってほしいと考えています。

――野手は2年生のレギュラーも多いですが、あくまで3年生の奮起を期待すると。

誰が試合に出るかが大事ではなく、誰がチームの精神的支柱になれるかが大事です。そのことは3年生には入学当初から言い続けています。

――夏の大会では、どんな戦いを見せたいですか?

一番下からのスタートですから、失うものは何もありません。もがき苦しみながら、歯を食いしばってやっていくしかありません。常日頃からそうやって必死にやっていくなかで、どこかでスイッチがポンッと入る瞬間がくるのではないかと考えています。チームのスイッチが入った時、一気に期待値が高まると感じています。(取材:菊地高弘/写真:編集部)

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