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【花咲徳栄】秋の初戦敗退、夏を見据えて取り組むオフトレーニング

2023.2.24

昨年秋は実に12年ぶりとなるまさかの県大会初戦敗退となった花咲徳栄。岩井隆監督がU18侍ジャパンのヘッドコーチとして海外遠征中だったこともあって、チームに走った衝撃も大きかったようだ。しかしそこから改めて取り組みを見直し、夏に向けて強化を図っているという。そんな花咲徳栄の1月のトレーニングの様子を紹介する。


トレーニングも姿勢が大事

前編はこちら>

1992年にコーチとして花咲徳栄に赴任し、2001年から監督を務めている岩井隆監督。激戦区埼玉で春夏合わせて12回の甲子園出場を果たし、2017年夏には全国制覇を達成している。また昨年まで8年連続でプロ選手を輩出しているが、これは高校では歴代最長記録である。そんな岩井監督がトレーニングに関して全幅の信頼を寄せているのが塚原謙太郎トレーナーだ。花咲徳栄以外にも健大高崎など多くのチームでトレーニング指導を担当し、高い成果を出している。岩井監督は塚原トレーナーに関してこのように話してくれた。

「最初は(岩井監督と同じ)東北福祉大出身ということで紹介されて、詳しいことは知らなかったんですよ。当時、自分は股関節をそんなに重視していなくて、それでも股関節が重要だという話をよく聞くからそのことについてどう思うか聞いたら、すごくしっかりした答えが返ってきて、じゃあその強化をお願いしますということがスタートでした。
外部スタッフのトレーナーは監督や選手に好かれようと思って、こっちの言うことを否定しないことが多いんですけど、彼はちゃんと自分の意見を言ってくれる。あとチーム全体ももちろんですけど、個別の選手の課題にも取り組んでくれる。なかなかそういう人は貴重だと思いますね」(岩井監督)



取材当日は週に一度の塚原トレーナーの指導日。前編でも触れたように足袋で練習を行うのが花咲徳栄の伝統となっているが、この日はランニングメニューも多いということで最初からアップシューズを履いている選手も多かった。それだけ選手も塚原トレーナーの指導日は意識しているということだろう。

器具を使って行うトレーニングはスクワット、ベンチプレス、デッドリフト、ローイング、プルオーバーの5種類で、これを3人組で行うというものだ。そして塚原トレーナーが重視しているのはトレーニングにおける“姿勢と形”だった。
「自分が指導している高校は基本的にこの5種類です。高校生の間に必要最低限身につけてもらいたいメニューですね。でも何となくの形、姿勢でやっても効果はありません。きつくなってくるとみんな姿勢が崩れるので、そうならないように確認しています。トレーニングに限らず走ることについても普段座ったりするのも姿勢が大事ですよね。同じトレーニングをしているつもりでも差が出てくるのはそういうところだと思います」(塚原トレーナー)



ベンチプレスの後には追い込むためにすぐ腕立て伏せにも取り組んでいたが、その時も塚原トレーナーや別のメンバーがトレーニングをしている選手の腰にタオルを巻きつけて姿勢を矯正していた。またローイングについてもテンポが速い選手に対して「もっとゆっくり!そうやらないと意味ないし怪我するから」という塚原トレーナーの声がよく聞こえた。こういうトレーニングの細かい部分が後から大きな差となって表れてくるのだろう。


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