生活面からアスリートの自覚を
昨秋に監督に就いてからは、週に2~3回の頻度で、選手とともに寮に泊まり、寝食をともにしている。
「生徒とコミュニケーションを取りながら、どんな性格でどんな感じの子なのか、探るところから始まりました。おそらく、最初のうちはお互いに遠慮があったと思います」
門馬監督とともにチームを作り上げていた長谷川将也部長(現・コーチ)、遠藤愛義コーチの力を借りながら、練習を進めていった。
就任してすぐに指摘したのは、寮での生活だ。野球の面ではこれまでの東海大相模のスタイルを生かしていったが、生活面ではどうしても気になるところがあった。
「靴下を履かずに、はだしのままサンダルを履いていました。体の冷えは足元からくること、万が一、爪を剥がしたらプレーに影響が出ることを伝えて、今は全員が靴下を履くようになっています。じつは、私がプロ1年目、ジャイアンツの寮長に教えてもらったことでもあるんです。アスリートとしての自覚を持つ。高校生ではありますが、日々の過ごし方がグラウンドのパフォーマンスにつながることを伝えています」
いわば、準備の部分である。上のステージでも野球を続けたいのであれば、自己管理能力が必須となる。
「相模の選手は、持っている能力は間違いなく高い。あとは、その力をどうやって公式戦で発揮できるか。監督として、選手の背中を押してあげたいと思っています」
秋、冬、そして春と一緒に過ごしていく中で、「プラスアルファで必要な部分も見えるようになってきました」と原監督。夏の頂点に立つために、新たな考えを加えるようになった。(取材・文:大利実/写真:編集部)
取材後編に続きます。
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