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【仙台育英】「センスがないね」から始まった猿橋部長との出会い

2022.6.22

仙台育英を率いる須江航監督に、この春から共に日本一を目指すことになった猿橋善宏部長についてお話を聞きました。かつては宮城県の中学軟式野球の監督として日本一を目指し、切磋琢磨した間柄である二人。高校野球に舞台を移し、仙台育英高校硬式野球部でどのような化学反応を見せてくれるのでしょうか?


仙台育英を率いる須江航監督は、八戸大(現・八戸学院大)を卒業後、2006年から仙台育英秀光中等教育学校の軟式野球部の監督に就任。その年の冬、複数の地区選抜が集まった強化練習会で、利府町立しらかし台中(当時)を率いていた猿橋善宏先生に初めて会った。須江監督は、地区選抜の指揮を執る立場だった。
「試合後に、『(采配)どうでしたか?』と聞いたら、猿橋先生から『センスがないね』とはっきりと言われました。そのことは、今でもよく覚えています」

痛烈な一言だった。

須江監督は、「どういう意味ですか? 教えてください」とすぐに質問を投げかけた。
当時の采配について、猿橋先生はこう振り返る。
「仙台育英、八戸大と、強豪で野球を学んできたこともあって、定石通りの采配でした。だから、『センスがない』。でも、須江先生は怒ることも、苦笑いでごまかすこともせずに、『教えてもらえませんか?』と聞いてきました。なかなかできることではないと思います」

この日以来、22歳の年齢が離れた2人の戦いが始まっていった。公式戦でぶつかったこともあれば、2016年には東北代表としてともに全中に出場したこともある。



須江監督から見た猿橋先生は、どんな指導者だったのか。
「秀光中に対して、一番本気で挑んできた人です。野球の能力の差があったとしても、考え方や判断力でそこを埋めてこようとしている。猿橋先生のお話しをさまざまなところで聞かせていただいて、『自分が50代になったときに、先生のような教養のある大人になりたい』と思える人でもありました」

須江監督は、2018年1月に仙台育英の野球部監督に就任。戦いの舞台は中学校と高校で分かれたが、猿橋先生にチーム作りの相談に乗ってもらうこともあった。


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