トレーニング

普通の高校生が140km/hを投げるためのポイント!(前編)

2022.3.9

コツコツやれる選手が最終的には勝つ



——筋トレなどに比べると柔軟性を高めることは疎かなりがちな気がしますね。

柔軟性や筋肉量を増やすというのはすぐにできることではなくて、積み重ねることがとても大事です。だからコツコツやれる選手が最終的には勝てますよね。いつも自分が言うのは一発逆転のデイトレーダーではなくて、コツコツ毎月“積み立てNISA”をしましょうということですね(笑)。
あとはきちんと数値化してあげることですね。140キロを投げるにはここまでやらないといけない、速いボールを投げている選手はこういう数字を出している、ということを見せると選手の意識も変わってきます。

——出力や柔軟性はどれくらいの間隔でチェックするイメージでしょうか?

自分が指導に行っている武田高校(広島)だと2週間に1度のペースで測定するようにしています。中間や期末などの定期テストではなく、小テストというイメージですね。少しずつでも上がっていればいいですけど、何度計測しても上がっていなかったらその期間の取り組みに問題があったということが分かります。単純にサボっていたのかもしれないですし、やり方に問題があるのかもしれません。2週間くらいのペースで見ていけば修正も早いですね。

——ちなみに高島さんこれまで指導してきた高校生は、3年間でどれくらいスピードアップしましたか?

武田高校からオリックスに育成指名された谷岡(楓太)は125キロが152キロまでアップ(+27キロ)しました。それ以外でも30キロ以上速くなった選手もいます。スムーズにいけば最低でも高校の間に20キロアップは目指せると思っています。
途中でサボってしまったり怪我をしてしまうと、その分はどうしてもマイナスになってしまいますけど、それでも高校生で130キロ後半を投げられたら大学の野球部からも興味を持ってもらえるレベルですよね。

後編では更に具体的なポイントについて聞きます。

(取材・文:西尾典文/写真:編集部)



高島誠(たかしま・まこと) Mac's Trainer Room代表。
広島商業高校、四国医療専門学校を経て2001年からオリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)、2005年からワシントン・ナショナルズでインターンシップトレーナーを務め、その後正式採用、2008年に野球肩肘専門のMac's Trainer Roomを開業し、野球の障害を中心に日本での活動を開始。現在はNPBトップ選手だけでなく、小中高生や大学生、社会人まで幅広くアスリートのサポートを行っている。

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