カラダづくり

球児にとっても今や必需品!
プロテイン&サプリメントの
効果的な活用方法を理解しよう

2021.1.27

プロテインやサプリメントは高校球児にとっても欠かせないアイテム。カラダを大きくしたい、筋力アップを目指したいという思いから飲んでいる球児も多いはず。でも、正しく理解して飲んでいますか? ここでは活用方法のヒントを紹介していきます。


球児にとっても今や必需品! プロテイン&サプリメントの 効果的な活用方法を理解しよう

“みんなが飲んでいるから飲む”“飲んだほうがよさそうだから……”といった理由では、せっかくお金をかけて購入するプロテインやサプリメントの力を引き出せていない可能性も。
「プロテインやサプリメントを飲んでいるから大丈夫ではなく、食事にも気を配ったうえで摂取することが大切になってきます。まずは日々の食事で必要な栄養素をきちんと摂取し、そこにプロテインやサプリメントを加えることでプラスにしていきましょう。食事から摂取する栄養が不足している場合、プロテインやサプリメントを活用しても不足分を補うばかりで、筋力アップやカラダを大きくするという課題はクリアできません」

高校球児に必要な栄養素とは?

「タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維をバランスよく摂取する、ということは聞いたことがある人も多いと思います。これだけを見ると栄養素を摂取することが難しく感じてしまうかもしれませんが、一般的にバランスのよい食事とされているメニューを食べればよいのです。これはアスリートも変わりません」。



「主菜はタンパク質を補給でき、免疫力などを高めるために必要なもの。副菜はアスリートにとっても重要で、筋力アップに必要なタンパク質の合成分解をサポートするビタミンやミネラルを補給できます。くだものはビタミンが豊富なので筋肉作りにもリカバリーにも不可欠。風邪をひかないカラダ作りにも活きてきます。日本の食事でカルシウムを摂取することは難しいと言われているので、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を摂ることも大切なことです」
これを見ると摂取しなくてはいけない必要な栄養素がみえてきますね。
ただやはりこれを毎日続けるのは難しいことも。夏場の試合やハードなトレーニング、体調が悪いときなど食欲が湧かないこともあるはずです。そんなとき、栄養を補うためにサプリメントを活用するという使い方も覚えておきましょう。
またアレルギーなどでどうしても自分が食べられないものや食べられていない部分をサプリメントで補うことも使い方のひとつです。

栄養素って1日どのくらい摂ればよいの?

174cm 68kg 体脂肪率15%程度の体型を例にして1日で摂取しなくてはいけない栄養素を見てみましょう。
「高校球児にとっての目安となる体型かと思いますが、174cm 68kg 体脂肪率15%で、アップ、ストレッチ、ノック、ティーバッティングなど、3時間ほどで一般的な練習を行なったと想定した場合には、3295kgカロリー〜3954kgカロリーが1日の摂取量の目安になります。これはどのくらいの食事量かというと
朝:パン(6枚切り)、スクランブルエッグ、ミニトマト、ヨーグルト、バナナ
昼:ごはん(大盛り)、鶏胸肉のしょうが焼き、冷ややっこ、ひじきの煮物、サラダ、味噌汁
捕食:おにぎり、オレンジジュース
夜:ごはん(大盛り)、ぶりの照り焼き、肉じゃが(豚)、納豆、サラダ、味噌汁、みかん」
*除脂肪体重から算出されたカロリー計算

より過度なトレーニングをした日などはこれ以上摂取しても問題ありません。

「そして体を大きくするうえで気になるタンパク質ですが、高校球児であれば体重1kgに対して1.6〜1.7kgを摂取する必要があります。
これを1日の食事で考えると
朝:ヨーグルト、ご飯、たまご、パン(多め)22.6g
昼食:とりのむねにく、白米も多め 35.4g
捕食:牛乳とシャケのおにぎり 18.8g
夕食:ぶりと納豆とご飯 56.5g
合計133g摂取(68kgの体重を目安)。
となってきます。

思った以上に食事だけでもたんぱく質は十分に摂れることがわかるかと思います。
さらに筋トレやハードなトレーニングをおこなった日であれば、筋肉の合成やリカバリーのためにこれ以上のタンパク質を摂取したほうがよく、そうなったときはプロテインが活きてくるというわけです。また捕食の時間に食事が難しいのであれば、プロテインやサプリメントを活用することもおすすめです」。

プロテインで摂取できるタンパク質は製品により異なりますが、一杯で10〜30gが目安。食事をおざなりにして、プロテインやサプリメントだけとなると1日に必要な量は満たせません。食事との併用があってはじめて効果を発揮してくれることを理解しましょう。

摂取する時間も大切!

「基本的にはトレーニング後30分以内に摂取したほうがよいですが、アメリカの食品と栄養の専門組織(Academy of Nutrition and Dietetics)、アメリカスポーツ医学会、カナダ栄養士会が合同で出しているポジションペーパーでは、2時間以内と記載があります。また、このタイミングで必須アミノ酸を含んだ質のよいタンパク質を摂取すると筋肉の合成がスムーズになると言われているので、プロテインやアミノ酸系のサプリメントを活用することはおすすめです。また試合時やハードなトレーニングなどエネルギー消費が大きいときは、リカバリーを考えた場合は、30分以内に摂取したほうがよいです」。

プロテインやサプリメントを選ぶときに気を付けることは

「たくさんの種類が出ているプロテインやサプリメントですが選ぶうえで安全性もチェックしましょう。一般論として、日本製のものは自社で厳しい基準を設けているので比較的安全なものが多いですが、ドーピングのライセンスを取得しているかどうかはチェックしておきましょう。知らず知らずのうちにドーピングに引っかかってしまったというのは、プロでも実際にあった事例です。有名な認証は『インフォームド・チョイス(IC)』『NSF』『BSCG』『ドーピング・ガード』あたりになり、パッケージに入っているマークやWebページで確認できるので、購入する際は見るようにしましょう」。

食事をしっかり摂ることでプロテインやサプリメントが活きる

「サプリやプロテインだけでは1日に必要な栄養素をすべて補うことが難しいことは理解してもらえたかと思います。とはいえ効率よく体作りをするために、サプリやプロテインに頼りたくなる事情もありますよね。また筋力アップを目指した体作りの時期であれば、筋肉の合成を食事よりも早めてくれるアミノ酸やBCAAを摂取するほうが効率よく体を大きくできるでしょう」。
サプリメントやプロテインはサポート役であり、デキるマネージャーというイメージ。役割をしっかりと理解して日々の生活に取り入れることで、体のサイズアップや疲れのリカバリーに力を発揮してくれます。



管理栄養士 朴沢広子さん

女子栄養大学短期大学部にて栄養士を取得し、食と栄養を専門に研鑽を積む。特に働き盛りの勤労者への健康サポートに着目しており、博士課程にて中小企業勤労者の健康状態、健康行動について研究を重ね、博士号を取得。また研究の傍ら、栄養士の資格取得後には、勤務先にて、スポーツ栄養や料理撮影などの現場にアシスタントとして携わる。2017年に、管理栄養士の資格を取得。


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