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【都立城東】2季連続初戦敗退から都大会ベスト4へ。チーム立て直しのカギは「野球をシンプルに考える

2020.3.16

全員がホームランを狙う!プロテインとウエイトでパワーをつける



ただ、秋の好結果に浮かれてはいけないと選手自身も理解している。なぜなら前年のチームは秋の大会以降は苦戦を強いられたからだ。春は都立紅葉川、夏は都立板橋と同じ都立高相手に初戦で敗戦。先輩たちと共に戦った高橋選手も「練習試合では強豪相手とも互角に戦えていたのですが、公式戦では本来の力を出せずに終わってしまいました。春も夏も絶対勝てた試合だと思います」と悔しい表情で語る。

特に夏の大会は都立板橋のエース黒岩真人投手の前に打線が沈黙し2-1の敗戦。悔しい夏を経験し、内田監督は選手とともに新チーム発足時に新たなテーマを作った。

「試合が苦しいときに打開するのは『長打力』と気づきました。そのためにも試合に出る全員がホームランを打てるチームにしようと決めました。野球は細かい技術を言い出したらきりがありませんし、複雑なことを頭で理解できていても肉体が追いつけなければ意味はありません。身体を大きくし力をつけられれば、速い球を投げられるし速い球を打ち返せるようになる。そう野球をシンプルに考えるようにしたかったのです」



そこで以前までは個人に判断に任せていたプロテイン摂取と、ウエイトトレーニング(2日に一度)をチームのルールとして定めた。身体を大きくするために始めた新たな取り組みは数値として如実に表れた。高橋選手や、同じくチームの中心メンバーである陶直史選手は5キロの増量に成功。清水選手は8キロの増量に成功し、以前に比べ打球の質が大きく上がったという。しかし、これらの数字は内田監督が教えてくれたわけではなく、選手個人が教えてくれたものだ。監督は選手の右肩上がりに伸びている数値を一切知ることはない。そこに内田監督の指導スタイルが隠れている。(取材・文・写真:細川良介)

次回「オフの走り込みナシ!選手が練習メニューを決める新たなスタイル」
 

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