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【都立城東】2季連続初戦敗退から都大会ベスト4へ。チーム立て直しのカギは「野球をシンプルに考える

2020.3.16

昨秋、プロも注目する宮下大地投手擁する日体大荏原や、錦城学園、共栄学園など力のある私学を倒し都大会ベスト4という結果を残した都立城東。一昨年の秋もベスト8までコマを進めているため、驚きは少ないかもしれないが実は昨年の春、夏ともに初戦敗退という結果に終わっている。そこからどのようにしてチームを立て直したのか、またオフの練習のテーマなど内田稔監督に話を伺った。


抽選会3日前に行った大きな賭け

正門をくぐり、真新しい校舎を横目に歩くと小気味よい金属音と元気な声がグラウンドから聞こえてくる。都立城東の野球部は2学年合わせて約60人の大所帯。あと数ヶ月後に入部する新1年生を加えると100人の大台に近づく。都大会の結果について内田稔監督に話題を振ると「結果的にはベスト4ですが、全く手ごたえはないです」と意外な答えが返ってきた。

「1試合1試合戦うのに必死で先のことなど考える余裕もありませんでした。今の2年生は新チーム立ち上げ当初野球の技術だけではなく、生活態度も成熟していませんでした。キャプテンを務める高橋慈英や清水隆太郎など数名を除いて、1年生を中心に新チームは始動しました」
練習を見守る内田稔監督(写真右)

都大会ベスト4の原動力となった林平太郎投手、鳴坂隼投手を始め将来楽しみな1年生は確かに多い。しかし、秋のメンバー表を見ると背番号2~15まで2年生が占める結果に落ち着いた。それは内田監督自身ある種の賭けに近いものだったという。

「1年生の伸び悩みもあり、抽選会の3日前に思い切って2年生主体のチームに切り替えました。2年生の方がやはり経験値はあるので、試合で形になりやすいと判断したからです。勝因を挙げるとすれば林が安定して投げてくれたこと、そして崩れる試合がなかったことでしょうか」

1年春から試合に出場している清水選手は「最初は不安が大きかったが、試合をしていくうちにチームの形ができ、上まで行けるかもしれないと思えるようになりました」と当時を振り返る。予選を含む7試合で失点は14。1試合平均は2点だ。準決勝で戦った強豪国士館相手にも5回終了時まで0-0の接戦を演じていた。不安から始まった大会で気づけば引退した3年生が残した秋ベスト8という結果を超える好成績。都立高が秋の都大会準決勝まで残るのは2016年の都立日野以来となる。


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