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【仙台育英】キャッチャーを「継捕」するという考え方と独自のキャッチャー育成法

2020.1.7

「継捕」は多くの捕手に出場機会をもたらす

須江監督は「キャッチャーが変われば野球が変わります」と話し、タイプの違うピッチャーを起用するのと同じように、キャッチャーもタイプに合わせて変えている。「試合を動かす」「リズムを作る」というポジティブな戦術として「継捕」を積極的に取り入れているのだ。「投手との相性って大事なんですよ。例えば、投手から見て『大きく見える』と感じるビジュアル的要素、サインを出すリズム、返球のスピード、野球に対する哲学(考え方)など、そういった相性ってしっかりと数字に出るんです。より良い相性を選択することが勝ちにつながる。代打の枠が一つ空くこともメリットだと思っています」。
 
配球で好打者を抑えてきたプロ野球の野村克也氏や古田敦也氏のような名キャッチャーは、一人でホームに座り続け、1試合(4打席)いや、1シーズンを通じて配球して打者の弱点を分析してきた。しかし高校野球は違う。トーナメント戦、一発勝負の世界では、一瞬のスキも命とりになる。巧みにキャッチャーを交代し、瞬間、瞬間で最善を尽くす「継捕」という考え。「より多くの選手に出場機会を与えられる」(須江監督)という考えから見ても、今後注目されていく采配になりそうだ。(取材・撮影:樫本ゆき)
 

表紙写真:
(前列左から)小原捷平、小野天之介、木村航大、細川雄心(すべて1年)
(後列左から)奈良田弦也(1年)、吉原瑠人、亀田頼風、小野寺真輝(すべて2年)

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