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球児も指導者も必見!最先端のグラブ事情

2019.6.20

今回お話を伺ったのは野球用品店「ベースマン」で勤続35年、本誌でもおなじみ“ぺー師匠”こと池北晃明さん。数多くの用具に触れ、自らもグラブの紐を巻くという業界の生き字引にポイントを聞きました。


型は自分で作る時代ではない

まず知ってもらいたいのはメーカーやモデルによってグラブの作りが違うということだね。それぞれに基本的な型というのがあり、それを理解しておかないといけない。これはぜひお店で質問してみるといい。そして今と昔で違うのは、メーカーも種類も少なかった十数年前は、好みや閉じ方のタイプ、プレースタイルに合わせようと思うと、どうしても自分で“型”をつける必要があった。

でも今はメーカーが閉じ方のタイプに合わせて形をつけて作っているから、単純にそれを柔らかくするだけでいい。むしろそれを無理矢理違う型にしようと思うと、あまりよくないグラブになってしまう。大事なのは選ぶ選手も店員もそれを把握しておくことだね。

例えばピッチャーなら投げるときにどうやってグラブを使っているかを見る。大谷(翔平・エンゼルス)と菊池(雄星・マリナーズ)を比べても全然違う。その動きに合ったグラブをまず選ばなくちゃいけない。

野手であれば自分がどのようにボールをキャッチしているかを把握し、その手の動きにあったものを選ぶ必要がある。あともう一つ大切なことで知っておいてもらいたいのは、同じグラブは二つとしてないということ。革製品で職人が一つずつ手作りしているんだから、同じモデルでも微妙に異なるんだよね。だからちゃんと自分の手にはめて、感触を確かめてから選ぶべきだと思うね。見た目とか閉じ方が気に入っても手に馴染まないと元も子もない。グラブを作る技術も格段に進んできているから、自分で合わせるのではなくて、自分に合ったグラブを探すことをおすすめするよ。



ベースマン総括本部長 池北昇明さん
高校球児をはじめとするプレイヤーだけでなく、メーカーに対しても相談にのるベースマンの生き字引的な存在。ぺー師匠の愛称で親しまれている。

グラブ選びの基本の「き」

投げ方や捕り方を把握することはとても大切だが、愛着を沸かせるためには見た目も重要だ!

1『自分のポジションに合ったもの』を選ぶ
ポジションによってグラブは異なるが、そのなかでも使い方に応じてタイプも異なってくる。まずはそのグラブはどのように使うのか、自分のプレーに合っているかを確認しよう。


2『気に入ったデザイン』を選ぶ

特徴が出やすいのは親指と人差し指の間の『ウェブ(網)』の部分。ここはどんな形でも捕球に大きな影響が出るわけではない。デザイン性を重視しても問題ないだろう。


3『憧れの選手のモデル』を選ぶ

最近ではどのメーカーも高性能で質が高いものが多い。そんななかでどのグラブを選ぶか迷ったときには、シンプルに自分の憧れの選手のモデルを選ぶのも一つの方法だろう。

次回「型をつけるのではなく、型を探す! グラブの性能を引き出す選び方」



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