28日の熊本西vs智弁和歌山で1回戦全戦が終了しました。そこで、全試合を甲子園ネット裏から観戦したおなじみのアマチュア野球ウオッチャー・西尾典文さんに1回戦終了時点のベストナインを選定していただきました!
2019センバツ高校野球ベストナイン
投手
奥川恭伸(星稜)3年・182cm・83kg・右投右打
2回戦ではボールが浮いてまさかの敗戦となったものの、トータルで見れば大会ナンバーワンに相応しいピッチングだった。常時145キロを超えるストレートは数字に見合った勢いがあり、変化球の精度も高い。ステップの幅の狭さはどうしても気になるものの、ここまで完成度の高い高校生右腕は珍しいだろう。
捕手
東妻純平(智弁和歌山)3年・178cm・75kg・右投右打
昨年の春夏甲子園でも強肩を披露したが、動作に更に速さが加わり、実戦でも見事なスローイングで盗塁阻止して見せた。キャッチング、ワンバウンドの処理も安定感は十分。バッティングでも力強さがアップし、レフトスタンドへ運ぶ一発で成長した姿を見せた。
一塁手
中村楓大(広陵)3年・176cm・78kg・右投右打背番号9だが、秋と同じくファーストで出場。力強さもあるが、技術の高さが光る4番打者。決して力任せにならず、鋭い振り出しでスムーズに引っ張るバッティングが光った。守備面も堅実で、ファースト以外を守る姿も見てみたい。
二塁手
表悠斗(明豊)3年・172cm・67kg・右投右打小柄だがパンチ力が光るトップバッター。大会屈指のサウスポー、及川雅貴(横浜)を攻略する糸口を作り、大逆転勝利に見事に貢献した。積極性と追い込まれてからの粘り強さを兼ね備えており、相手投手にとってはいやらしい存在だ。
三塁手
小深田大地(履正社):2年・176㎝・85㎏・右投左打来年の近畿を代表する選手になりそうな雰囲気が漂っている左の強打者。構えとトップを作った時の力感はとても2年生とは思えず、フルスイングの迫力も申し分ない。上手く力みがとれるようになれば、確実性ももっとアップして更に怖い打者になるだろう。
遊撃手
森敬斗(桐蔭学園)3年・175㎝・68㎏・右投左打体はそれほど大きくないものの、ヘッドスピードと打球の強さは間違いなく超高校級。普通ならレフト線のファールになりそうな当たりもヘッドが走っているから切れずにフェアになる。俊足とスローイングの強さでも目立ち、三拍子揃ったショートとして今後も注目を集めるだろう。
外野手
井上広大(履正社)3年・187cm・95kg・右投右打
奥川の前にノーヒットに終わったものの、それでも選出したくなるスケールの大きさを感じた。スイングの形、タイミングの取り方に悪いところがなく、あとはとにかく切れを出すだけ。外野の守備でも見事な補殺を見せるなど進歩が見られたところも好材料だ。
野村健太(山梨学院)3年・180㎝・88㎏・右投右打
打った瞬間の当たりを含む2本塁打を放ち文句なしに選出した。以前よりも体つきが締まり、対応力も高くなった。少し上半身が突っ込む癖があるのは課題だが、それでも飛距離は普通ではない。守備、走塁面が夏までにどれだけ成長できるかに注目したい。
来田涼斗(明石商):2年・180㎝・82㎏・右投左打
2年生ながら不動のトップバッターとして活躍している三拍子揃った外野手。アスリートタイプの選手だが、体つきも一回り大きくなって打球に迫力が出てきた。同じ2年生エースの中森俊介とともに、来年以降も近畿地区を代表する選手として注目だ。