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【日大鶴ヶ丘】徹底した意識改革で時短を図る|時短テク(前編)

2018.10.24

競合ひしめく西東京の中でも安定した成績を残し続けている日大鶴ヶ丘。今年の夏も惜しくも決勝で日本大学第三高校に敗れたものの、見事な熱戦を演じて見せた。しかしその練習時間、環境は決して恵まれたものではない。そんな日大鶴ヶ丘の効率的な練習に迫った。


強豪校が実践する時短テク!

時短DATA

朝練の時間:7:30〜8:00
平日の練習時間:16:00〜18:30
TOTAL:3時間
時短の理由:セキュリティの関係上、19時が完全下校になったため。

時短テク01|ウォーミングアップを短縮


日大鶴ヶ丘の校舎があるのは東京都心の杉並区。京王線の明大前駅から徒歩約8分の住宅街に位置している。野球部が練習を行っている総合グラウンドはそこから徒歩5分ほどの場所だが、授業が終わると野球部員は全員が制服のままダッシュで駆け込んでくる。少しでも移動時間を短くすること、そして走って移動することで体が温まり、ウォーミングアップの時間を削減することが狙いだ。

時短テク02|着替える時間も無駄にしない!


徹底しているのは移動だけではない。制服からユニフォームに着替える時間も3分以内と決められている。選手達はグラウンドに到着すると、挨拶した後は無駄な会話をすることもなく、素早く着替えを済ませている。

時短テク03|打撃練習はフリーとティー複数に分ける



最初に全員で並んでランニング、準備運動を行い、その後にキャッチボールを始めるというのがよくある練習風景だが日大鶴ヶ丘は違う。ケージとネットを用意し、投げる選手だけが素早く肩を作っていきなりバッティング練習からスタートするのだ。同じグラウンドをサッカー部とアメフト部も共用しており、広いスペースを使える時間が限られているためにこのような流れになったという。

時短テク04|守備・走塁練習は打撃練習中にまとめて行う





最初に打撃練習を行うが、決して打つだけの練習ではない。守っている野手は生きた打球を処理する絶好の機会であると考え、あくまで守備練習という目的でも取り組んでいるという。さらに打者の打球に合わせてスタートを切る走塁練習を行う選手の姿も見られた。時短はもちろんだが、一つの練習を有効活用する狙いが垣間見える。

時短テク05|塁上にいない選手以外も打撃練習に合わせて走塁練習をする


打撃練習の後は走者をつけての実践的な守備練習も行っていたが、走者は一人だけではなく、空いたスペースを使って打球に合わせて複数の選手がスタートを切る練習を行っていた。これもより多くの選手のスキルアップに繋がる効率化された練習といえる。

時短テク06|打撃練習後にストレッチを行う



ストレッチ、キャッチボールなどはバッティング練習が終わった後に行う。これも全員で揃って行うのではなく次の実戦練習で守備につく選手と走者になる選手で分かれており、無駄を省いた時短練習につながっている。

時短テク07|練習中のインターバルをとにかく短く!


走って移動するのは練習前だけではない。メニューとメニューの合間も全員でスピーディーに動いて時短を図っている。インターバルの時間はそれぞれの役割も決められており、無駄な動きをしている選手はいない。

時短テク08|教本をもとにルールを学習し、練習に結び付ける


日大鶴ヶ丘には『107カ条の掟』という伝統的な教本がある。そこには野球のルール、セオリーからあらゆるケースの動きまで細かく記されている。雨天時にはこの教本を活用してあらゆる動きを学び、実戦練習ではその確認に費やしているという。

時短テク09|グラウンドで練習ができないときにまとめてミーティングを行う

ミーティングの時間は多く取らず、雨天でグラウンドが使えない時にまとめて長くとるようにしているという。テーマは野球の歴史など多岐に渡り、他校よりも知識があることで優位に立てる場合も多いそうだ。

時短テク10|個人の課題を明確にする

全体練習が終わった後や朝の個人練習の時間が設けられている。ただメニューをこなすのではなく、それぞれがその時の狙いを明確にしており、時間も自らが作り出すという考えで選手たちは取り組んでいる。

(取材・文=西尾典文 写真=磯貝琢哉)

選手、監督に時短について話を聞いた「後編」に続きます。

日大鶴ヶ丘 DATA

●監督/萩生田博美●部長/津田寛行●部員数/2年生30人、1年生39人、マネージャー6人
1955年創立。野球部は1990年に創部初、その後は2008年、2014年と合計3回、夏の甲子園出場を果たしている。2018年の全国高等学校野球選手権大会西東京大会では、決勝で日大三に3−5で敗れ、惜しくも甲子園への切符を逃した。

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