球児たちのエネルギー源となるお弁当を、高校球児のことをよく知っている“事情通のあの人”が作ったら…。ノウハウとアイデアが詰まったお弁当を、オススメおかずのレシピとともに紹介しよう。
最近の球児はチキンが好き。ちょっぴり強めの味付けで
作ったのは私です!
寮にはいろんな子がいますから、できるだけ好き嫌いが分かれないメニューにすること、嫌いなものが入っていても食べられるように少し強めな味付けにすること、徹底的な衛生管理、この3つを特に意識しています。カロリーは朝と晩で平均2,450キロカロリー。一般と比べるとカロリーも塩分も高めですが、部活を頑張っている子たちですから、このくらい必要です。
栄養バランスはしっかり考慮しています。ビタミンや酵素が摂れるように生野菜は必ず入れていますし、お肉や魚で1日に必要なたんぱく質を摂取。重宝している食材はブロッコリー。ビタミンCとビタミンBが豊富で、身体を作るのにぴったりなんです。ただ、野菜がゴロゴロしているメニューは苦手な子も多いので、みんなに美味しく食べてもらうために試行錯誤しています。
ご飯とスープはお代わり自由。みんな同じメニューですが、野球部は特に食べますね。朝からお代わりするのは野球部員だけです。ただ、最近は部活の前におにぎりを食べ、部活直後にチャーハンやカレーを食べてから食堂にくるので、夜ご飯のお代わりをする子は少なくなりました。それでも、四月になれば毎晩一斗以上のお米を炊きます。
野球部に人気のメニューは、鶏の照り焼きやチキンステーキ(にんにく醤油味)、唐揚げ、オムライス、牛丼、豚丼など。ただ、僕が子どもの頃よりは、食べる量は減っているようです。カレーの人気も低迷中。時代は変わりますね。
寮生はみんな厳しい環境で頑張っていますから、ご飯のときは楽しくさせてあげたい。僕は割と年齢も近いので「寮は慣れた?」とか「レギュラーとれた?」とか声をかけるようにしています。卒業してから挨拶しに来てくれる子もいますよ。第2の家族みたいになれたら嬉しいですね。(取材・文=高橋美由紀 写真=廣瀬久哉)
常総学院食堂とは…
常総学院の敷地内にありながら、佐藤家が営む一風変わった食堂。学院生に軽食やスナックを提供したり、寮生の食事を作る。野球部以外にも吹奏楽部やサッカー部、バトミントン部が在寮。
今回使用したサーモスの弁当箱
(右)サーモス フレッシュランチボックス/DSD-1102W
(左)サーモス ステンレスランチジャー/JBG-2000