学校・チーム

【浦和学院】モデルケースになるために、なにがなんでも結果を出したい

2022.7.22

なにがなんでも結果を出したい



「新生・浦和学院」の進化は肉体的、技術的な成長だけに留まらない。高山が「やらされる野球ではなく、自分で考える野球になってきた」と語るように、選手個々が自発的に考え、行動するチームになりつつある。森監督は今春の関東大会での出来事をうれしそうな表情で語った。

「明秀学園日立戦でキャプテンの八谷(晟歩)がセーフティバントを決めたんですが、その後も足の速い小林(聖周)の打席で八谷が『セーフティ、セーフティ!』とアピールしてきたんです。よほど確信があるのだなと、サインを出したところ小林が決めてくれました。ベンチのなかで選手とコミュニケーションを取りながら、戦っていけるチームになってきました」

春のセンバツでベスト4に進出したといっても、激戦の埼玉を勝ち抜くには並外れた実力や強靭な精神力が必要になる。夏の大会に向けた守備練習終了後、バックネット付近に選手を集めた森監督は、こう語りかけた。

「守備で大事なのは、躊躇しないこと。失敗を恐れないこと。守備こそ攻撃。その意識が大切だと思う。文字通り守りに入るのではなく、超攻撃的にいこう」

攻守とも「超攻撃的」がキーワード。その先に全国の頂が待っていると信じている。森監督は言う。

「僕は高校野球界を変えたいわけではありません。でも、こんなやり方でも勝てるんだと全国で実証して、ひとつのモデルケースになりたいと考えています。だから、なにがなんでも結果を出したいんです」

新時代の旗手になるために――。その壮大な挑戦が始まっている。

(取材・文:菊地高弘/写真:編集部)

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