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最高のサポートで最高のプレーを!マネージャーのお仕事!〜渋川青翠高校硬式野球部〜

2021.9.8

高校野球にとって欠かせない存在がマネージャー! でもどんなことを日々おこなっているかって以外と漠然としている人も多いはず。球児がよいプレーをする、決められた時間で最良の練習をするためにいなくてはいけない縁の下の力もち。高校によっては試合の運営も手伝っているのだとか! 各校のマネージャーの仕事を紹介していきます。


「部員数が少ないからこそできるサポートを!時にはお母さんのような気配りで」

「渋川から甲子園へ」

群馬県有数の温泉地、伊香保温泉からほど近い場所に位置する渋川青翠高校野球部の目標だ。渋川市内には野球部を持つ高校が3校あるが、いずれも長い歴史の中で甲子園進出を果たした学校は無く、3校で独自のリーグ戦を開くなど切磋琢磨している。

渋川青翠高校は現在1年生11名、2年生7名の選手18名で活動している。少ない人数のためノック時のボール渡しやピッチングマシンへのボール入れなどをすることもあり、グラウンド内でもマネージャーが担う役割は多い。

3人いるマネージャーの内、2人がソフトボール経験者ということもあり、打撃練習時に外野の守備位置についてボール拾いをすることもあるという。マネージャーとしてこなす毎日の仕事以外にも目を配らせていることは、部員の体調面やメンタル面など。わずかな機微にも気付き指導者に都度報告、一人一人の状態も気をつけて見ている。

2018年の秋季県大会ベスト4を皮切りに目標に向けて成長を続ける渋川青翠高校野球部には、さながら「お母さん」のように細やかなサポートをする3人のマネージャーはなくてはならない存在だ。


先輩からの教えを守って細かく手際よくゴミの分別をしていく小野沢さん。

学校共有スペースのトレーニングルームを野球部使用後に毎回丁寧に掃除する皆川さん。
練習の合間などの時間ができたときに、先輩皆川さんから交代の読む順番などアナウンスのコツを教わる関さん。

練習中に野球部instagram用の写真を撮る皆川さん。

毎年作る千羽鶴、今年はチームカラーで! 左から小野沢 奈那(おのざわ なな)さん(1年生)、皆川 寧音(みながわ ねね)さん(2年生)、関 美咲(せき みさき)さん(1年生)。


マネージャーのあんなこと! こんなこと!を伺いました



1.マネージャーの人数を教えてください!

二年生が1人、一年生2人の3人です。昨年までは各学年1人だったのですが今は特に定員があるわけではなく、希望者は指導者の先生と面談をして入部します。

2.主な仕事内容って!?

練習試合では関係者席の用意や機材の準備、試合中は3人でスコアやBSO(ボールカウント)、アナウンスを担当します。イニング間には審判さんへお茶を出したりしています。

普段の練習では、新型コロナウイルス感染症対策のため今はジャグを作ることができず、ドリンクは選手個人で用意しているのですが、足りない時はまとめて買い出しに行くこともあります。

部員の人数も少ないのでノックのボール渡しや打撃練習時のピッチングマシンへのボール入れを安全に気をつけながらすることもあります! 他には選手のケガの手当や部室など諸室の掃除が主な仕事です。合間にアナウンスの練習も欠かせません!


3.やりがいは!?

やはり選手や指導者の先生方、保護者の方から「ありがとう」と感謝の言葉をかけてもらった時です。練習試合のアナウンスで複雑な交代を言えた時やチームが勝った時もやりがいを感じます!

4.他の高校にはない、独自だと思う業務を教えてください!

今はあまりできていませんが、ソフトボール部出身者が2人いるので、バッティング練習時に外野守備位置についてボール拾いを手伝うことがあります。他にはSNSの更新です。野球部のinstagramアカウントがあるのですが、運営を任されています。

写真は試合中にマネージャーが撮ったり、保護者の方からもらったものを使います。内容は監督から指示をもらって作ったり、自分たちで考えたものを先生方にチェックしてもらうこともあるのですが、タグはマネージャーに任されているんです。たくさんの人に見てもらえるように考えてアップしています。

最近アカウントが新しくなってまだまだフォロワーも少ないので、是非フォローをお願いします!


渋川青翠高校野球部Instagram  

 
5.マネージャーの先輩から伝わる伝統は!?

代々、面倒見のいい先輩が多かったのか、渋川青翠高校のマネージャーは部員の「お母さん」のつもりで選手の身の回りのことに気を配ることがあります。例えば部室のゴミを捨てる時にゴミの分別を手伝ったり、脱ぎっぱなしの制服をたたんだりすることもあるんです。

あとは、お守りのデザインです。毎年3年生を中心に違うデザインを考えて作っています。これまで、ユニフォーム型や群馬名産のだるま型の物などを作りました。


6.今後の目標を教えてください!

野球部の目標である「渋川から甲子園」に向かって先回りして細かなサポートをしていきたいです。目の前の目標としては、僅差で負けたことのある相手校と次に対戦するときは絶対勝てるように、選手が力を出せるようマネージャーとしてできることをしっかりサポートしていきたいです。

7.マネージャーをしていることで、高校生活でどのようなプラスがありますか?

先生方もそうですが、練習試合を見に来てくれるOBの方と話す機会が多いので、目上の方と話すスキルが格段に上がりました。

電車内で海外の方に道を尋ねられたことがあったのですが、英語が苦手なので以前なら逃げていたかもしれないですが、スマホの翻訳機能を使ったりしてなんとか伝えられました!

他には野球は遠征だと集合時間が早いことが多いので、早く起きるのに慣れて朝が苦じゃなくなりました!


8.マネージャーをやることのオススメポイントは?

全部です!
高校野球に一番近くで関われるというのは高校生の期間しかないので、選手の成長を間近で見ることができるところです。「高校野球」という共通の話題で出会った先輩や後輩と仲良くなったり、他校のマネージャーとも仲良くなって交友関係も広がります。

部活のお昼休みもマネージャー同士、野球の話をしながら過ごすのが楽しいです。学校に行くのちょっと嫌だなと思うことがあっても、部活に行くことを考えたら楽しく学校に行くことができます!





渋川青翠高等学校(群馬県)

昭和51年創立の県立高校。平成10年に総合学科が開設され生徒が自分で考え主体的に学べる校風。野球部以外では弓道部の活躍が目覚ましい。野球部は2018年秋季大会で創部初となるベスト4まで進出し、2019、2020年夏の甲子園県予選はベスト16進出。OBにルートインBCリーグ群馬ダイヤモンドペガサスの宮下侑がいる。

学校・グラウンド:群馬県渋川市渋川3912-1

 
(取材・文/松本亜希子)

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