カラダづくり

試合(練習)後の食事

2015.11.16
 試合前の食事の続編として、今回は「試合(練習)後の食事」をピックアップします。

 試合(練習)後の食事には、“使ったエネルギーの補給”+“筋肉(体)のケア”という大切な役割があります。ですので、この食事もトレーニングの一環としてとらえましょう!

 では、何を、いつ食べればよいのでしょうか。

 図1は運動後のエネルギー補給の内容と、運動4時間後の筋グリコーゲン(※)貯蔵量を表したものです。

※筋グリコーゲンとは、筋肉に貯蔵された糖質のことで、筋肉を収縮させた時にエネルギーとして利用される、運動時には必要不可欠なものです。毎日のように運動する選手は、この筋グリコーゲンが不足しないように常に蓄えておかなければなりません。(=“使ったエネルギーの補給”


図1.エネルギー補給の内容と筋グリコーゲン貯蔵量
  エネルギー補給の内容と筋グリコーゲン貯蔵量
参考)春日規克・竹倉宏明(2010)『改訂版 運動生理学の基礎と発展』フリースペース社


 この図から、運動後の食事の内容が「炭水化物とたんぱく質の混合食」の場合が、それぞれ単独で補給する場合よりも筋グリコーゲンを効果的に貯蔵できることがわかります。

 次に食事の摂取時間について、図2をご覧ください。
 運動直後と運動2時間後に食事を摂取した場合、たんぱく質合成(※)がどのように違うか、折れ線グラフで表したものです。

※たんぱく質合成とは、成長や体組織の維持だけでなく、傷ついた組織や細胞の修復を行います。(=“筋肉(体)のケア”


図2.運動後の食事摂取時間別、たんぱく質合成
  運動後の食事摂取時間別の筋たんぱく質合成
参考)藤井久雄「スポーツ栄養の役割」
http://www.mspf.jp/grande21/ikagaku/index.php/
グランディ・21 宮城県総合運動公園->スポーツ医科学情報提供事業->トレーニングの科学->「スポーツ栄養の役割」2015年11月9日アクセス

 少し色が見づらいのですが、運動直後に炭水化物+たんぱく質を摂取した赤い丸印の方が、たんぱく質合成に大きく貢献しているのがわかりますか?

 以上の研究結果より、「強い体を作るためには、炭水化物とたんぱく質が含まれるものを、運動直後(※)に摂取するのが効果的である」ということが言えます。

 ※運動後30分~1時間以内くらいがお勧めです。


 では、続いて、炭水化物とたんぱく質が含まれた食事として、その量とお勧めメニューを紹介します。

 強い体にしようと一度に摂り過ぎるのはよくありません。炭水化物の摂り過ぎはご存知のように体脂肪となりますし、たんぱく質も必要以上に摂ると体脂肪となったり、カルシウムの吸収阻害を起こしたり、内臓へ負担がかかってしまいます。

 そこでスポーツ栄養学では、下記の目安量を設定しています。


<<疲労回復のための栄養素の摂り方>>
●炭水化物(使ったエネルギーの補充)
 目安:0.7(~1.0)g/体重1kg

●たんぱく質(筋肉の修復材料)
 目安:炭水化物:たんぱく質=3:1


例えば、体重60kgの場合、炭水化物は42~60g、たんぱく質は12~20gということになります。

 コンビニのおにぎりは、ご飯が約100gで、具が約20gくらいです。
鮭おにぎりの栄養量は、1個あたり炭水化物が37g、たんぱく質が8gくらいとなるでしょう。ですので、体重60kgの選手にあてはめると、おにぎり1個とオレンジジュースなど糖質を含んだ果汁飲料が適量ということになります。

 鮭やツナが入ったおにぎりの他には、玉子やハムを挟んだサンドイッチ、飲むヨーグルトやエネルギー補給ゼリーなどでもいいでしょう。いずれもコンビニで手に入るものですので、商品の栄養素表示を見ながら、試合(練習)後には必ず炭水化物+たんぱく質を食べる習慣をつけましょう!
  おにぎり
  サンドイッチ



  


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