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【桐朋】田中隆文|高校で芽生えた独自の感性、監督が語る森井翔太郎のこれまでとこれから

2024.6.15

偏差値71の超進学校に現れた投打の二刀流・森井翔太郎選手。NPBにとどまらずMLBも注目するこの逸材を中1の時から見ている田中隆文監督。そんな田中監督に、森井選手のこれまでとこれからについてお話を聞きました。


独自の感性が芽生え、大きく伸びた

―― 桐朋は東京大に合格者を輩出するなど、都内有数の進学校として知られています。

今(5月30日取材)は18時30分に完全下校で、17時半には練習を終えます。月曜日と木曜日は放課後の練習が休みのため、朝に30分ほど練習しています。とはいえ、学校敷地内に練習グラウンドがあるので、生徒たちには「恵まれているよ」という話をしています。

―― 京都大2年の玉越太陽投手もOBで、今春はリーグ戦で初勝利を挙げるなど活躍しましたね。

高校時代からボールは速くなかったのですが、度胸がよく飄々と投げるのが玉越のいいところでした。

―― 今年は投打に能力が高い森井翔太郎選手が、プロスカウトからの注目を集めています。

NPB球団だけでなく、MLBの球団スカウトまで見に来られています。アメリカの大学に進学する選択肢もあり、どの道を選ぶかは本人次第ですが、話し合っていきたいと考えています。


 
―― 森井選手は桐朋小から中高と内部進学していますが、プレーはずっと見てこられたのでしょうか?

中学1年の時から見ています。「体の大きい子だな」という認識はありましたが、ここまでの選手になるとは想像していませんでした。中学3年時には「高校は本当にウチでいいのか? 将来を考えて、自分を高められるチームでやったほうがいいんじゃないか?」という話をしたこともあります。本人としては強豪校から誘いがなかったことと、中学時代から一緒にプレーしてきた仲間と野球をしたい思いがあったようです。でも、結果的にそれがよかったのかもしれません。

―― と言いますと?

やらされる練習ではなく、自分たちで考えてやる練習をするなかで、独自の感性が芽生えたように感じます。とくに森井の場合は自分のペースで練習する子なので、大きく伸びた要因になったと思います。ウチの練習はまず選手がメニューを考えてやってみて、おかしいと感じた場合は私がミーティングで指摘するスタイルです。

―― 桐朋の場合は中高の6年間をかけて育成できるメリットもありますね。
 
そうなんです。中学3年のお盆過ぎから高校野球部の練習に参加できるので、冬場のトレーニングも一緒にできます。普通の高校なら冬場に鍛えられるのは2回だけですが、ウチは3回も冬のトレーニングができる。性格を早めに把握できるのもメリットだと感じています。


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