「気持ちの部分が目的」の12分間走
この日もキャッチボールの後は実際のボールを打つバッティング、トスバッティング、ゴロ捕球から送球までの守備練習と三班に分かれて20分ずつ練習を行い、その後は80メートル、50メートル、30メートルのダッシュを2本行って終了という内容だった。
実際のボールを打つバッティングをする選手に対しては内田監督があらゆる投手のボールを想定してノックバットを動かして、それを素振りするということは行っていたが、確かに何か特別なことをしているという感じは受けなかった。
選手達からもオフ期間だから何かを追い込むというような雰囲気は漂ってこなかった。出身である日大三高とは全く違うやり方という内田監督の話の通りである。しかし一点だけ自身の高校時代の練習と重ねている部分もあるそうだ。
「高校時代の練習で一番印象に残っているのは強化合宿期間ですね。朝5時半くらいからスタートするんですけど、少しでも準備する時間を短くしたいといって、同期のキャプテンは夜にユニフォームに着替えてから寝ていましたから(笑)。最初に12分間走があって、小倉監督に一周差をつけて抜かないといけないというのがあって、これが一番つらかったですね。今は監督も年配になってきたので二周差をつけないといけないらしいです。この12分間走だけはうちもこの時期練習の最初にやっていて、ポジションを争っている選手を競わせたりしています。(フィジカル的な)トレーニングというよりも、気持ちの部分が目的で、トレーナーの方にも『これだけはやらせてほしい!』とお願いしています」
限られた環境でも効率的な練習を行ってレベルアップを図る。しかし効率化のみにこだわるのではなく、一部は選手の気持ちを引き出すような練習も行う。練習自体の内容に特別なことはなくても、内田監督の話と取り組みには非常に一貫性が感じられる立正大立正の練習だった。このやり方で更に上を目指してどこまでいくことができるのか。今後の戦いぶりにも注目したい。(取材・文/写真:西尾典文)
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