できる範囲内で最大限の効果を出す

部員数は現在2学年で73人。これは都内の学校でも有数の多さである。元プロの内田監督がいるということで選ぶ選手もいるそうだ。しかし練習環境は決して恵まれているわけではない。学校は都営浅草線の終点である西馬込駅から徒歩数分の都心にも近い場所にあり、学校に隣接するグラウンドは十分な広さはなく、他の部活とも併用である。ネットも硬式野球をやるには十分な高さがないため、バッティング練習もバックネットに打つ形で行っている。

しかし内田監督が話すようにその環境を嘆くことはなく、できる範囲内で最大限の効果を出そうとするのが立正大立正のスタンスだ。取材日も自転車で20分程度の距離にある大田スタジアムで練習する班と、こちらも同じ程度の距離にある東京明日佳病院でトレーニングを行う班が学校とは別に練習をしているという。
東京明日佳病院で理学療法士として勤務している栗田聡氏はドラフト1位で広島に入団した元プロ野球選手。故障によりプロでは結果を残すことができなかったが、その経験を生かして理学療法士となった経歴を持つ。内田監督がヤクルトに在籍していた時に球団のフィジカルディレクターを務めていた縁もあって、今では選手をカテゴリーごとに分けて週に4回は栗田氏のもとでトレーニングを行っているという。これは内田監督の持つ繋がりの大きな強みと言えるだろう。
「選手時代の繋がりと、たまたま近くの病院にいらっしゃるという縁からお世話になっています。去年の夏投げていた谷口(尚也)というピッチャーが上(立正大)でも続けるんですけど、入学してきた時はひょろひょろでした。それでも栗田さんのところで見てもらって、体の使い方を覚えれば必ず良くなるからと言われて、3年生の夏には140キロを超えるまでになった。うちのような環境でも効率良くやれば、ちゃんと伸びるということは間違いないと思いますね」(取材・分/写真:西尾典文)
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