カラダづくり

アスリートを助けるオメガ3の油

2015.10.12
 エネルギー源として必要不可欠な脂質=「油」は摂取し過ぎるとどうしても「肥満」に結びつくのではと考える人も多いことでしょう。油はそれぞれに特性があり、過度な摂取は肥満の元となりますが、中には体調を整えパフォーマンスアップに貢献する油もあります。

 脂質は大きく「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられます。飽和脂肪酸は肉や乳製品の脂肪に多く含まれ、エネルギー源や細胞膜の材料となりますが、過剰に摂ると中性脂肪やコレステロールを増やし、肥満や脂質異常症などを引き起こす原因ともなります。体内でも合成することが出来るため、摂り過ぎによる弊害が指摘されています。

 一方、不飽和脂肪酸は植物の油や魚の脂肪に多く含まれます。不飽和脂肪酸はさらに細かく3種類に分けることができ、それぞれ「オメガ3」「オメガ6」「オメガ9」などと呼ばれます。このうち「オメガ3」と「オメガ6」の油は、どちらも私たちの体内では作り出されないことから、食事などを通して外から補う必要がある必須脂肪酸です。中でもアスリートとしてぜひ着目したい不飽和脂肪酸が「オメガ3」です。

「オメガ3」の油には炎症を抑える効果が指摘され、それ以外の多くの脂質は炎症を増幅させるといわれています。運動後の体に起こる筋肉痛は筋線維の微細損傷と炎症によるものですが、こうした炎症反応を抑える働きがある「オメガ3」は、運動後に適量を摂取することで筋肉痛の軽減や疲労回復を促進させる効果が期待できます。「オメガ3」が豊富に含まれている油は、亜麻仁油、クルミ油、エゴマ油など。食物ではクルミなどのナッツ類や青魚、海藻などに豊富に含まれています。

 外食や加工食品の影響を大きく受ける現代では、飽和脂肪酸や「オメガ6」「オメガ9」の油を摂取する機会が増えてきました。摂取量が少ないと言われている「オメガ3」を上手に取るための一番簡単な方法としては、食事に魚を食べることです。また「オメガ3」は非常に酸化しやすい油であるため抗酸化作用のあるビタミンE(ゴマ、アーモンド等)を含む食材を一緒に食べるようにすること、また熱を加えると変性(酸化)してしまうのでドレッシングなど生のまま摂取することがよいことなどが挙げられます。「オメガ3」のパワーをぜひパフォーマンスにも活かしましょう。

  肉と魚で迷ったら、魚を選択してオメガ3を摂ろう。特に青魚はオススメ。



  


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