トレーニング

制球力を向上させるための投球動作改善(17)

2015.10.13

 Baseball Nineをお読みくださっているみなさん、こんにちは。野球塾リトルロックハートのコーチ、大友です。K君のコーチングも17回目を迎え、パフォーマンスは一歩一歩、着実に向上してきています。K君自身の復習により、これまでコーチングしてきた細かな動作も、少しずつ定着してきました。

 K君のコーチング前の投球フォームを思い出すと、17時間のコーチングでここまで来れたというのは、やはりK君がコーチングとコーチングの合間に真面目に、そして地道に復習を続けてきたからこそです。コーチングにより適切な練習方法、最適な改善方法を知ることができると、自主練習でも上達を実感しながら行えるようになり、上達を実感できるからこそ続けられるようになるんです。やっぱり上達を実感できなければ、練習はただ辛いだけになってしまいますもんね。

 さて、前置きが長くなりましたが今回のテーマはフィニッシュでの軸足の置き場についてです。1枚目の写真では左投げのK君の軸足は、右足部よりも前方(ホーム寄り)に着地しています。一方2枚目では右足よりも後方(二塁寄り)に着地しています。

  右足部よりも前方(ホーム寄り)に着地している

  右足よりも後方(二塁寄り)に着地している


 この2つの動作にどのような違いがあるのかと言いますと、フィニッシュで軸足が非軸足よりも後方に着地していると、軸脚に体重が残ったままの動作で投げてしまいやすくなるんです。つまり軸脚に体重が残ってしまっているためにそれに引っ張られ、軸足が非軸足よりも前に出られない動作になってしまうんです。

 K君も以前は軸足を引きずる時間がやや長く、体重が軸脚に残りやすい投げ方をしていました。体重が軸脚に残っているということは、その分球威が低下してしまうということですので、体重はやはり、軸脚股関節には一切残さないで、非軸脚股関節に100%移動させていくことが理想となります。ちなみに体重移動とは、軸脚股関節に乗せた上半身の重さを、非軸脚股関節へと移動していく作業のことです。

 体重移動を上手く進められない投手は、軸足のフィニッシュを強引にでも体重移動が上手くできた時の形にすることにより、逆算的に体重移動を改善していくこともできます。ただし逆方向からの改善は、あくまでもきっかけに過ぎず、根本的な改善には至りません。

 なので、逆方向から見ていく際にはきっかけを与えてあげるだけという考え方で、まさにそれをきっかけにして根本的な改善へと繋げていってください。根本的に改善するためには、必ず手前手前の動作を良くしていく必要があります。

 手前の動作を改善しないまま、上述したきっかけとなる形だけで満足してしまうと、またすぐに元の形に戻ってしまいますのでご注意ください。




  



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