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【Timely!アーカイブ】大谷翔平(花巻東)「チームで日本一になるには個人として日本一にならなくてはいけない」

2018.4.12

メジャーリーグでも「二刀流」で活躍し、大きな話題になっている大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)。「TImely!」では花巻東高校(岩手)時代の大谷選手に自己管理についてお話を聞いていました。当時から意識の高さが伺えるインタビューを振り返りたいと思います。


*2011年の「Timely!」16号に掲載された内容です

野球日誌をはじめとした「自己管理」を毎日継続できるのは「目標が明確にあるから」という。
「花巻東に入って、佐々木監督から夢の持ち方を学びました。長期的な大きな目標、中間の目標、目の前の目標の3つを立てています。一つ一つをクリアすることで、大きな目標がリアルになる。だから自己管理も継続することができるんです」と力説する。

目標を立てる上で大事なのは、より具体的に、すべてに「数字」を入れ込むこと。例えば○月○日までという日付けや、ピッチングで○球中○球、ストライクをいれるなど具体的な目標値が必須だ。今、多くの人が期待しているスピードも「今年の夏の甲子園で○○キロ投げる」という目標を自分の中で明確に掲げているそうだ。

そしてこれが今の大谷の目標。ひとつひとつステップを上り、大きな目標にむけ毎日の「自己管理」を徹底している。

大きな目標「チームで日本一になる」

雄星さん達も成し遂げられなかった偉業。そして日本一になって、プロにいくことが目標。

中間目標「個人として日本一」
練習への取り組みはもちろん、練習内容、学校生活、私生活、人間性もすべて日本一であること。

今の目標「体重を86〜87キロに増やす」
怪我をしない体をつくり、しっかりケアをしながら、とにかくよく食べて、体重を増やすこと。

大きな偉業を成し遂げるため、日々真摯に自己と向き合い、常に自己と戦い続けている大谷。取材の最後に2012年の目標を色紙に書いて欲しいとお願いすると、迷わずペンを走らせた。

「岩手から日本一」
堂々たる文字から、底知れぬ大きな決意を感じた。

フォーム解説by佐々木監督

昨夏の甲子園でのピッチングは、故障で下半身を使えなかったため、上体だけの力で投げていました。歩幅も半分くらいに感じたほどです。それでも「150キロ」を出したのは驚きましたし、大谷の器用さを感じました。本来、調子がいい時のフォームは下半身をうまく使い、肩甲骨や股関節の可動域を生かしたピッチングができます。またバッティングでも同じことが言えますが、力を入れるべきところで瞬時に大きな力を発揮できることも魅力です。
入学したころは、テークバックのときに肘が入ってしまったり、ワインドアップで体が反ってしまうなど、気になる箇所も見受けられましたが、現在はしっかり修正できています。フォームのバランスはとても良いと思いますので、今はフォームよりも「体作り」が課題です。

監督プロフィール:佐々木洋(ささき・ひろし)

1975年生まれ。岩手県出身。黒沢尻北高、国士舘大出身。現役時代は捕手としてプレーした。神奈川の横浜隼人高でコーチを務めた後、2002年に花巻東高の監督に就任。05年夏に甲子園初出場し、09年のセンバツ大会では菊池雄星(埼玉西武)を擁し、岩手県勢初となる準優勝、09年の夏は4強入りを果たした。社会科教諭。

指導担当の穀田先輩「目標には期日設定が必要」

2年生と1年生1〜2名ずつに一人の3年生が指導担当につき、徹底した縦組織の指導システムを取り入れている花巻東高。日誌のチェック、練習の取り組み方や学校生活、さらには1年生に対する指導の仕方まで担当先輩が徹底的に指導をする。このシステムは全員が後輩を指導しなくてはいけないため、自ずと「指導するからには自分がしっかりしなくてはいけない」とみんなが自覚を持てるようになっている。

大谷の一つ上の指導担当は穀田裕次(3年)。元々意識の高い大谷に指導することはなかなか難しいと思うが…。
「1年の時は、目標はしっかりあるものの、『この日まで達成する』という期日など具体的な数字を入れていなかったので、そこをよく指摘していました」という。さらに「2年生になったら、自分のことばかり考えていてはいけない。後輩に対してどうやって指導するかも大切なこと」と大谷に指導したという。

縦のラインがしっかり確立されていることが好チームといわれている秘訣の一つ。「自己管理」の仕方も先輩から後輩に受け継がれている。

「日本一のウエイトルーム」

花巻東高のウエイトルームには、「日本一のウエイトルーム」と大きく書かれており、壁や天井には佐々木監督からのメッセージや選手全員が書いた目標が所狭しと貼ってある。具体的な目標設定や写真やマーカーなどを用いて鮮やかによりリアルに描かれており、そこでトレーニングをしたらさぞかしモチベーションがあがることだろうと思わされる光景だ。

他にも「岩手から日本一」という貼り紙や、「日本一の洗濯場」「日本一への階段」などがつくられており、全て「日本一」を意識した環境づくりがなされている。大谷だけでなく花巻東高野球部チーム全体から「絶対に日本一になる」という決意がヒシヒシと伝わってくる。

大谷翔平プロフィール

1994年7月5日生まれ。
岩手県出身。191センチ84キロ、右投左打。水沢リトル、一関シニア出身。花巻東高に入学後、春から4番を任され、秋からエースに。昨夏の甲子園で150キロをマーク。現在の最速は151キロ。しなやかながら強さを伴う柔剛一体の大型右腕。今年のドラフト注目投手。

(取材・文・写真:武藤桂子 写真提供:武藤桂子、高橋昌江)

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