ただでさえ不足しがちだというのに、スポーツをしている人はこの2つの栄養素をさらに積極的に摂らなければいけない理由があります。それは「汗からの損失」があるからです。
鉄の1日の摂取推奨量は12~14歳男性11.5mg、15~17歳男性9.5mg、12~14歳女性(月経あり)14mg、15~17歳女性(月経あり)10.5mgとなっています。しかし、汗からの損失は1L中0.5~1.2mg。鉄の吸収率は摂取量の10%なので、これを補うためには5~12mgの鉄をとらなければいけません。よって、発汗量の多いスポーツ選手の場合は一般人の1.5倍から2倍の鉄が必要になるというわけです。
また、カルシウムの1日の推奨量は12~14歳男性1000mg、15~17歳男性800mg、12~14歳女性800mg、15~17歳女性650mgとなっています。鉄同様、汗からの損失があり、1L中21~78mg。さらに骨の強さの指標となる骨量は成長期に形成され、30歳頃をピークに、その後は加齢に伴って減少します。ですので、中高生のうちにしっかり摂取、蓄積しておくことがいかに大切かということが言えるでしょう。
さて、難しい話はここまでにして、鉄、カルシウムの強化レシピとして、これまで紹介した献立の中から2つのレシピを紹介したいと思います。
◆◇小松菜のツナマスタード和え◇◆
材料(4人分)
小松菜 1束(300g)
ツナ缶 1缶
粒マスタード 大さじ2
醤油 大さじ1・1/2
作り方
1. 小松菜は塩茹でし、水に取る。水気をしぼり3cmくらいに切る。
2. ツナ缶は油をしっかり切って、ほぐしておく。
3. ボウルに粒マスタードと醤油を入れて混ぜ、そこへ小松菜とツナを入れて和える。
(出来上がり100gあたり)
カルシウム213mg、鉄3.3mg
◆◇切り干し大根とひじきのポン酢サラダ◇◆
材料
切り干し大根(乾燥) 50g
ひじき(乾燥) 10g
人参 50g
生姜 15g
さやえんどう 25g
ごま油 大さじ3
ツナ缶 1缶
ポン酢醤油 大さじ6
白ゴマ 大さじ3
作り方
1. 切り干し大根とひじきは水で戻しておく。
2. さやえんどうは塩茹でして、水気を切り、斜めの細切りにしておく。
3. 生姜、人参は千切りにする。
4. ツナ缶は油を切り、白ゴマをすり、小さなボウルでポン酢醤油と混ぜておく。
5. 水で戻した切り干し大根とひじきの水気をしっかり絞り、大きめのボウルに入れ、千切りにした人参と生姜も入れる。それぞれが偏らないように混ぜる。
6. 小鍋でごま油をしっかり温め、5のボウルに熱したごま油を回しかける。
7. 4のドレッシングも混ぜ合わせる。さやえんどうは混ぜ合わせても、飾り付けに使ってもOK!
(出来上がり100gあたり)
カルシウム125mg、鉄2.5mg
「切り干し大根とひじきのポン酢サラダ」は、作り置きサラダとして多めの出来上がりとなっています。
冷蔵庫で3日ほど持ちますので、一品足りないときのメニューに是非ご利用ください!
【参考サイト・文献】
『日本人の食事摂取基準(2015年版)』厚生労働省
東愛子・原田まつ子編(2012)『応用栄養学実習 第2版』講談社