カラダづくり

【スペシャルインタビュー・嶋基宏捕手】いい捕手の条件は体が強いこと。45歳まで現役を続けられる体作りを目指す(3)

2014.10.13
プロ1年目で感じた、周りの選手との体つきの違い。2年目から細かく体のことを考えるようになった

――話は遡りますが、高校時代は体づくりについてどんな考えでしたか。

嶋 実はチームで栄養講習を受けたことがあって、ゴールデンタイムの存在は知っていましたね。だから「練習直後におにぎりやパンを食べなさい」とか、そういうことは教えられました。合宿中は、練習が終わったらすぐにシャワーを浴びて食事でしたし。あと、自宅から1時間半くらい掛かるところを通学していましたが、夜ご飯は必ずお茶碗で3杯食べていました。朝ご飯も量を意識し、親におにぎりを握ってもらって、学校の休み時間やトレーニング後などにも食べる。今ほど積極的ではありませんが、プロテインも摂りました。

 ただ、僕は周りに比べて成長が遅く、当時は身長168㌢くらいで体重も60㌔台。今思えば、ガリガリだったと思います(苦笑)。「二番セカンド」だったので、本塁打を打つことなんてまったく考えていなかったし、重視していたのはバントや右打ち。大学に入って身長も体重もグッと伸びましたが、「体を大きくしよう」という意識はなかったですね。

――プロ入りして、体づくりに対する意識はどう変わったのでしょう。

嶋 実際に球場でプレーしたとき、まず周りの選手を見て「自分とは体つきが違うな」と思いました。それに、1年目からたくさん試合に使っていただいたのですが、2年目に入っても前年の疲労が抜けなかったんですよね。肩もヒジも痛かったし、プロの生活に慣れていないこともあって、精神的なストレスもあった。その中で毎年140試合以上も戦わなければならないんだと考えたときに、「まだ学生の体なんだな」と。それから体のことを細かく考えるようになりました。体の状態を把握するという意味で言えば、昔はチームの中で与えられたものをただこなしているだけでしたが、「打つときに体がこうなっているから、こういうトレーニングをしよう」とか、「こういうふうに体のバランスが崩れているから、ここの部分を鍛えておこう」と考えるようにもなりましたね。

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