2年前の夏の神奈川県大会、この年のセンバツ王者•東海大相模に対して9回まで1-1という大接戦を繰り広げた川和高校。実はこの善戦、まぐれではない。「ラプソード」を使った緻密な戦略があったのだ。当時の監督とエースに振り返ってもらった対談の後編をお届けします。
PDCAサイクルを回すツール
――ブルペンのピッチングでは1球1球、ラプソードの数値を確認していたのでしょうか。
吉田 はい、1球ごとに見て、自分の感覚と数値を照らし合わせていました。
――それは、吉田投手にとって楽しいことですか?
吉田 とても楽しいです(笑)。ちょっと中指に力を入れてリリースしたら、変化量がどう変わるのかとか、いろいろなことを試して、確認していました。
伊豆原 変な言い方になるかもしれませんが、進学校の川和の選手たちに、ラプソードはとても合っていたと思います。数値を確認して終わるのではなく、「次はこうやって投げたら、数値がどう変わるのだろう」と、興味や疑問を持ち、実行に移していく。わかりやすく言えば、ラプソードを活用しながら、PDCAサイクルを回していたのです。計画を立てて、実行して、チェックして、改善する。正確な数値が表示されるからこそできることです。
――もし、吉田投手がラプソードに出会わなければ、どんなピッチャーになっていたと思います。
吉田 たぶん、ストレートとスライダーで組み立てるオーソドックスなタイプになっていたと思います。
――ラプソードを活用したいと考えている高校球児も増えています。どんなアドバイスを送りますか。
吉田 まずはいろいろな数値を取ることで、自分の特徴を知ることが大事だと思います。そのうえで、良いボールを投げられたときの感覚を大事にして、数値を見ながら再現性を高めてほしいと思います。
伊豆原 ラプソードで計測することで、「自分の特徴は何か」をまずは考えてほしいですね。吉田のようにリリースアングルを追い求めるタイプもいれば、そうではないタイプもいます。測ることによって見えてくることが必ずあるはずです。
【指導者から見たラプソードの効果1】
「数字」が客観的な事実を教えてくれる投球練習でキャッチャーが捕球した球が「バチーン!!」といい音を響かせているとき、「ナイスボール!」と声を出すことがあるだろう。しかし、その球は本当にナイスボールだったのだろうか。「本当は全然いいボールじゃないのに、キャッチング音でダマされてしまうケースってたくさんあると思います」と伊豆原先生は言う。その点、ラプソードなら印象に惑わされることなく、いい時も悪い時も数字で示される。指導者の経験や勘よりも客観的であることは確かだ。
【指導者から見たラプソードの効果2】
コミュニケーションをとるためのツールにもなる野球には曖昧な表現が結構ある。例えばボールの「伸び」。この「伸び」が何なのか分かっていないと、指導者と投手がお互いの主観をもとに、噛み合わない指導を繰り返していく可能性がある。ともすれば、監督の独りよがりな指導、一方的な指導にもつながっていくだろう。しかし、ラプソードを使って「伸び」が、ボールのホップ成分の量に関係していることが分かれば話はスムーズだ。
「ホップ成分が○センチだから、もうちょっとスピン必要だよね」「リリースアングルが良いのに、ホップ成分が○センチも出ているから相当いい感じでスピンがかかっているんじゃない?」などと、具体的な数字をもとに話すことができる。選手の側からも数字という根拠があれば、「ホップ成分が○センチ上がったので、これを試してみていいですか」など、指導者に自分の意見を言いやすくなる。
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