企画

ポカリスエットプレゼンツ プロ技道場第1回 里崎智也師匠「エラーしない捕手になるべし」

2016.4.28

強気なリードと堅実な守備でチームを2度の日本一に導き、プロ野球界屈指の捕手として活躍した里崎智也氏。引退した今だからこそ語れるプロの技をとくとご覧あれ。

今回のテーマ: ~エラーしない捕手になるべし~

◆捕手の対応能力は構えで変わる

人差し指を12時の方向に向けてスタンバ
イしておくと、左右180度ずつ回転でき
るので、計360度カバーできる。この可
動域の広さが高いキャッチング力を生む。

横にスライドさせてもミットの面が見える
ことが大事。仮に人差し指を2時方向に構
えていたら面が見えなくなってしまう。

 捕手は投手が投げるボールを全て捕らなくてはならない。どんなボールにも対応するためには、瞬時に次の動きができるフレキシブルな構えをしっかり作っておく必要がある。

 理想の構えとは、地面と太もものラインが水平になるように腰を落とし、つま先をハの字になるように外側に開く。親指と親指の付け根に力が入るようにやや前傾させると、バランス良く重心を保てるので安定感が生まれ、身体を動かしやすくなる。そして、このカタチができると、自然と手がベストな位置に導かれていく。

 ミットは人差し指を12時の方向へ向け、一番力が入るところで構えるようにする。一番力が入るところは身体の前で手を叩いてみると分かる。手を叩く位置を上から下へと移動させてみて、最も強く叩ける所がパワースポットだ。パワースポットで構えることで、前後、左右、上下、どの方向にボールが来ても効率良くキャッチングができるようになる。この下半身とミットの構え方が連動し、フレキシブルな動きが可能となるのだ。








【プロ技その1】ブロッキング

構えの差でコンマ何秒かの違いが生まれる。それが大きい

底辺が長く、身体が幅の広い二等辺三角形になる。この体制を
作るコツは地面と太ももを水平にする構えに隠されている。

 

底辺が短く、身体が幅の狭い二等辺三角形になる。この体
制はボールを弾きやすく、足抜きも困難になってしまう。


 少しの遅れも許されないブロッキング。地面と太ももが水平になる理想的な構えをしていると、素早くブロッキングの体制を作ることができる。また、その際身体が底辺の長い二等辺三角形のカタチになるため、幅広い面でボールに対応できる。さらに、素早く重心を下げて構えることによりボールの勢いを吸収でき、大きく弾くことも少なくなるのだ。

 足の向きはハの字で構えているので、左右に動きやすく、足抜きがしやすい。逸れたボールに対しても俊敏に対応できるので、どんなボールに対しても安定感のある二等辺三角形がしっかりブロックしてくれるだろう。






【プロ技その2】クロスプレー

半身で構えることにより、最短でタッチが可能

今までは正面で対応していたため追いタッチ気味になったり、バウンドに合わせ
づらく、タッチ幅も狭かった。この半身の姿勢になることで、ホームベース上で
最短にタッチができる。また、レフト、センター、ライトと返球がくる方向に
よって身体の向きを変えてあげれば、よりスムーズにタッチプレイができる。


 キャッチングのときは人差し指を12時の方向に向けていたが、クロスプレーのときは3時の方向に向け、左右に90度、計180度ミットを動かせる状態にする。
 
 そして、身体を斜めにして横向きで返球を捕るようにする。そうすることにより、足を動かしたり身体をひねったりしなくても最短・最少の動きでタッチすることができるのだ。さらには、守備範囲も広いのでバウンドにも合わせやすくなるのもメリットだ。

 また、ランナーの位置を確認しながらホームベースのやや一塁側で構えれば、逸れた返球にも対応することができるだろう。








里崎智也 師匠
徳島県鳴門市出身。1998年、千葉ロッテマリーンズに入団。第1回WBCで世界一に輝き、ベストナインを受賞。過去に2度ゴールデングラブ賞を獲得し、2014年に引退。現在はプロ野球解説者や、コメンテーターとして幅広く活動。
Twitterでも頻繁に投稿を行う @satozakitomoya



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